働き方

初の補償付きでクラウドソーシングはどう変わる…

投稿日:2015年10月9日 / by

ランサーズが業界初の“補償制度”を開始

補償付き認定ランサー開始キャンペーン   クラウドソーシング「ランサーズ」クラウドソーシングも安心・安全がスタンダードの時代へ--。ランサーズ(株)(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:秋好 陽介)は、2015年10 月7 日より、総合型クラウドソーシング業界初の「補償付き認定ランサー制度」を開始した。同社を通じ、クラウドソーシング上で仕事を発注したクライアントは、その後リスクが生じた場合、同社から補償を受けられる。

便利で、手軽で、しかもリーズナブル。クラウドソーシングの誕生で、フリーランスが企業から業務を請け負う機会が飛躍的に増大した。一方で、信頼の面で劣るフリーランスの活用を躊躇する法人もまだまだ少なくない。今回の新制度は、そうした懸念を払しょくし、利用拡大を促進する画期的な仕組みとして期待される。

補償をつける狙いとは

補償付き制度開発の狙いを明かす秋好社長

補償付き制度開発の狙いを明かす秋好社長

「クラウドソーシングの普及が進む中で、まだまだ、特に大企業などは、利用に躊躇しがちです。フリーランスに依頼するにしても、どれだけのクオリティが担保されているかは、やはり十分には分からない。一方、ランサー側にしても大企業相手の大規模案件となった場合、トラブルが起こった際のことを考え、二の足を踏むケースも少なくありません。そこで、双方のそうした不安を取り除き、もっと手軽に試してもらうフックとして、最も分かりやすいカタチとして企画したのがこの補償制度です」と同社秋好陽介社長は説明する。

主に法人と個人が非対面で仕事の取引を行うクラウドソーシングでは、従来の商習慣と異なる部分も多く、著作権侵害や個人情報漏洩などのリスクを考慮し、クライアントがこの発注方法を選択することに不安を感じがちだ。拡大を続けるクラウドソーシングのさらなる発展にとって、こうした不安を払しょくする信頼性の担保は大きな課題であり、今回の『補償付き認定ランサー制度』は、その土台強化という面でも大きな一手となる。

どこまで補償されるのか

補償の対象となる事案は、著作権侵害、遅延による損害、情報漏えい、システムの致命的ミス…など。特に大企業がナーバスになりがちな案件ばかりであり、さらに個人のフリーランスにとっても不安な部分だけに、受発注を促進する上で頼もしいカバー内容といえる。もちろん、トラブル精査は専門業者によって厳格に行われるため、誤認や不正の余地はない。こうした補償は、物理的な効果と同時に、とりわけ、ランサー側に仕事に対する精度向上を強く意識させる効果も期待でき、業界の健全な発展の追い風にもなりそうだ。

大企業の活用を促進するフックとして大きな可能性

安心して受発注できる環境が整えばフリーランス自立の可能性も拡がる

安心して受発注できる環境が整えばフリーランス自立の可能性も拡がる

もっとも、補償制度は、同社にとっても“リスク”となるだけに、適用範囲は限定的だ。適用が認められるのは、登録ランサーの中でもスキル上位者の「認定ランサー」の対応案件のみ。認定ランサーになる条件は基本、次の3つをクリアしていること。高いスキル、速いレスポンス、コンプライアンス・本人確認済み。どれも基本的なことだが、フリーランスという立場で、この3つを徹底し、クライアントから絶大な支持を得ている人はまだわずか。従って、制度の普及は、フリーランス自体のレベル向上と運命共同体の関係にあるといえる。

クラウドソーシングは、続々と企業が新規参入するなど、まだまだ拡大基調にあり、今年度600億円になると推計されている有望市場。人材の流動化が進む中で、正社員に代わる新しい働き方を実践する有力な形態のひとつでもあるだけに、健全な発展が望まれる。そのためにはまず、利用する企業からの信頼獲得が業界全体の重要課題だ。企業が当たり前のようにクラウドソーシングを介し、仕事を依頼する環境ができてはじめて、フリーランスの真の自立が実現する。それだけに、ランサーの質を伴った同社の補償制度の設定は、企業の利用拡大を促進するだけでなく、その分水嶺としても大きな期待がかかる。

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