働き方

働き方用語の正しい読み方【ダイレクト・リクルーティング】

投稿日:2015年11月12日 / by

ダイレクト・リクルーティングとは

2015年11月11日、都内で「ダイレクト・リクルーティング・アワード2015」が開催れた。(株)ビズリーチの主催で、今回が2日目。先進的な採用活動に取り組む14社の企業から、大賞には楽天(株)が選出された。

主体的な採用活動で受賞した企業担当者

主体的な採用活動で受賞した企業担当者

ダイレクト・リクルーティングは、企業が主体的、能動的に採用活動を行うこと。中でもインターネットを通じ、企業が自ら直接声をかける手法が注目されている。海外では一般的だが、日本ではまだ黎明期を抜けつつある段階だ。企業を表彰するアワードは少なくないが、今後、採用を直接的に評価する同賞の価値は、ダイレクト・リクルーティングの普及と比例して上昇していくだろう。

激化する人材獲得競争の主流に躍り出る採用手法

これまでの採用は、人材紹介会社からの紹介や求人広告によるもので基本、受け身だった。企業に知名度があれば、求職者が一定数集まり、その母集団に対し、人事部がアプローチ。面接などを経て採用していればよかった。だが、この仕組みは大きな欠点がある。本当に欲しい人材を採りづらいということだ。

加えて、昨今は人口減少が深刻化し、優秀な人材は母数自体が減っている状態。企業が従来の仕組み胡坐をかいていては、優秀な人材どころか、人材そのものを採り逃しかねない。魚のいない生簀に竿を垂らしていてもつれないとの同じ状況が、いまの人材市場なのだ。

採れない、獲物がいない。そうなれば、直接魚のいる場所へ出向きダイレクトに捕まえるかしかない。それがダイレクト・リクルーティングだ。そのためには、人事部もこれまで通りでは厳しくなる。しっかりと戦略を立て、積極的にアクションを起こし、さらには自社の魅力を最大限に伝える努力をしなければならない。それが出来なければ人材獲得競争に敗北してしまう…。

大賞を受賞した楽天は、専門部隊を結成し、綿密な計画のもと、欲しい人材の一本釣りを成功させ、自社に強力な戦力を獲得した。こうなると、人材のフィールドはなにも国内に留まらない。優秀な人材というターゲットを探し求め、海の向こうへも目を向けるのは自然の流れといえる。人材獲得という“業務”が、いけすでの釣りから外洋でのトローリングへと一気に転換する。

もはや企業競争の最終段階といえる展開だが、一方では、共創という概念も強まっている。企業間の連携を強め、人材を交換し合う仕組みも今後はできあがってくるかもしれない。とはいえ、そのためにも各企業が自社の人材力を強化することは必須であり、ダイレクト・リクルーティングが、今後の企業の浮沈の大きなカギを握ることになるのは間違いない。

求職者にとってもミスマッチが減ることにつながり、求人の仕組みとして、ダイレクト・リクルーティングは理にかなっている。いいことづくめのようだが、あえて課題としてあげるなら、固有の強みを持っていなければ、取り残される。逆にいえば、強みのある人材にとって、より有利になる仕組みである、ということだろう。もっとも、多様性社会では、どんなことも武器となり得る。当人がそれをどれだけ認識できているか、だけの問題に過ぎない。人材の流れはいま、パラダイムシフトの只中にある。

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