働き方

社員の才能を最大化するための意外な有効施策

投稿日:2015年10月19日 / by

『新しい働き方の教科書』<Lesson11>

なぜ副業を“強要”するのか

bs150415251740専業を禁止する会社がある。実践する企業は、正社員という枠組みを残しながら、そのマイナス部分をうまく削り、いいとこどりのような形態をとっている。通常、正社員は、副業禁止だ。「よそで稼ぐヒマがあるなら、自社のために貢献しなさい」、というのが、給与を払う側の当然の言い分だからだ。

一体なぜ、会社が、自ら副業を許すのか。それどころか、することを“強要”するのか。その理由は、「副業することで見識が広まる。さらにいえば、副業は本業にもつながってくる」ということらしい。導入するエンファクトリーでは実際に、全員が副業を実践。中には本業を上回る売上げを上げる社員もいる。

ここで素朴な疑問が起こってくる。副業は許可されているが、それによって、本業がおろそかになりやしないのか…。ならば本末転倒では、ということだ。これについては、実践企業によると、かえって時間管理が厳格になり、生産性がアップし、残業もほとんどないなど、思わぬ副産物があるというから驚きだ。

企業側にとっては、できればやって欲しくないと考えがちだが、むしろ、社員が、自己管理力を高め、さらにその才能を開花させているのだから、杞憂も甚だしい。発想を変えれば、十分な給与は支払えないが、その代り、副業を許可するという文化で優秀な人材を集めるということも可能になるかもしれない。

副業容認企業の増加が示すものとは

会社にとっては、上げようのない報酬の補完的措置、社員にとっては、会社での給与を確保しつつ、副業でさらなる可能性にチャレンジ出来る環境。そうした利害関係の一致があり、今後、広がっていく可能性は十分にある。当然、社員が独立するリスクもはらむが、それは人材流出というより、取引先がひとつ増えると考えるのがスマートだろう。

副業容認企業が今後増えれば、それは人材の最適化へもつながっていく。従来の働き方が通用しなくなり、停滞している人材が、今後確実に最適化へ向かって流動化していくが、副業の容認は、そうした時代の本格到来の予兆としても、見逃せない動きといえるだろう。

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