働き方

大人材流動化時代がいよいよ始まる【瓦の目】

投稿日:2015年7月31日 / by

活況な転職市場に潜むある兆候

flowあす8月1日から就活の企業による選考が解禁となる。といってもどうもピンとこない。一方、転職戦線は異変が起こっている。インテリジェンスの報告では、7か月連続で求人数が増加。すさまじい活況ぶりだ。その中身がこれまでと変わってきている。報酬よりやりがいを求める求職者、U・Iターンの活発化、高齢化…。「異変」とはいったが、現状の労働環境を考えれば、こうした質の変化もある意味で必然といえる。

なにより少子高齢化が進んでいる。地方創生関連の動きも活発だ。企業の寿命が縮まっている…。激変する環境にあって、企業自体が、もはやこれまで通りでいることが困難になっているのだから、変化に順応していくのは“進化論”ならずとも当然だろう。この転職市場の動きをどう捉えるべきなのか…。それはズバリ、大人材流動化時代への予兆ということだ。

人材の流動化は基本、斜陽産業から隆盛産業を軸に活発になる。それが落ち着くと今度は、適正な配置をする力学が働く。この辺りが、転職市場のやりがいや高齢化とも関連してくる。つまり、企業にとって本当に必要な人材が、ふさわしいところへと移っていく。かつてなら、この動きは、安定へのこだわりや組織バランスへの配慮などから敬遠されがちだったが、そもそも労働力が不足している現状では、企業もビジネスパーソン側も、もはやこだわる理由はない。

人材流動化時代の注意点

かつてないこうした流れの中で、注意すべきことがある。それは、もはや企業も人を選べないし、人も企業を選べないということだ。正確にいえば、本当に有能な人材しか企業を選べない。逆に本当に魅力ある企業でなければ人を選べない、ということだ。

どんどん人材が流動化する時代には、個人は気を抜いていると、自分の居場所がいつの間にかなくなりかねない。その意味では厳しい時代といえる。ただ、悲観することはない。必死に行き先を探す、というより、大事なことは、自分の武器をひたすら磨くことが重要であり、その延長線上に結果として、求める企業が必ず存在するからだ。

このことから分かるように大人材流動化時代には、企業の認知度よりも個の力がより重要で価値あるものになる。流動化しているなら、その流れに身を任せよう。そんなぶら下がり思考では、激流に飲み込まれ、溺死するだけだ。ぶら下がり体質を脱却し、自立した人間になる--。それが、人材が激しく流れる時代にもっとも重要な要素となる。予兆をしっかり受け止め、抜かりなく準備することが重要だ。

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