働き方

クラウドソーシング時代に取り残されないために…

投稿日:2013年12月24日 / by
tsunami

迫りくるクラウドソーシングの荒波。Xデーまで残された時間はあと3年…

日本に迫る危機

すでにクラウドソーシングの動きは不可逆的であり、世界的潮流になりつつある。こうした動きに対し、日本のスタンスは常に慎重であり、基本、拒絶のスタンスをとる。そして、後れを取ってしまう。だが、国力が低下傾向にある中では、もはやそうした失敗は許されない。

「今はまだ嵐の前の静けさだが、それは日本語バリアに守られているから。持ってもあと3年、何らかの要因で遅れたとしても5年。無作為にクラウドソーシングの波を受けてしまうようでは大企業は大ダメージを被る。だからこそ、企業はクラウドソーシングを経営戦略に活用すべき。国は法整備を整え、企業・個人がクラウドソーシングを利活用しやすい環境を整え、納税もしっかりしてもらうようにすべき」と東京工業大学イノベーションマネジメント研究科の比嘉邦彦教授は危機感を募らせ、提言する。

最悪のシナリオとは

もしもクラウドソーシングの波を無防備に受けてしまうようなことがあればどうなるのか…。コスト競争に対応できず国際競争力が大幅に低下。企業は逃げるように拠点を海外へ移転する。多くの企業が海外企業に買収される。その結果、国内の産業は空洞化し、失業率は上昇、賃金の大幅な低下、そして二流国家へ転落、という最悪のシナリオが待ち受ける…。

個人レベルでも、代替可能な仕事に携わるワーカーは会社に所属していても失業もしくは報酬の大幅ダウンが避けられない。マネージャーもテレマネジメント能力がなければ失職する。従来のマネジメントとは別個のスキルとなるだけに、ほとんどの管理職の首が危なく、テレマネジメント専門の企業にとってかわられることにもなりかねない。

一方で、優秀な人材は、クラウドソーシングの波に乗り、日本の企業ではくすぶっていた才能を存分に発揮し、世界の巨大プロジェクトの一員として大活躍。どんどん腕を磨き、報酬をアップさせる。そうやって、日本からは優秀な人材がどんどん流出してしまう。

あくまで最悪のシナリオではあるが、無策では十二分に現実化する可能性がある。だからこそ、いまからでも対策が必要になる。個人は、クラウドソーシング時代を見据え、自身のキャリアパスを設計・実施する。企業は、クラウドソーシングを経営に導入すべく、いまから体制を整える。もはや段階は「やる・やらない」の次元ではない。いまやらねばならない。Xデーまで残された日数はわずか3年しかない…。(終)

第一回 クラウドソーシング革命がもたらす破壊的創造
第二回 アメリカの事例からクラウドソーシングを学ぶ
第三回 クラウドソーシングがもたらす労働市場への影響
第四回 労使双方にメリットをもたらすクラウドソーシング
第五回 クラウドソーシングに秘められた可能性
第六回 確実に世界中に浸透するクラウドソーシング
第七回 日本型クラウドソーシングとは
第八回 クラウドソーシングによる人材育成
第九回 クラウドソーシング時代に待ち受ける現実
第十回 クラウドソーシング時代に取り残されないために…


イノベーションマネジメント研究科 比嘉教授東京工業大学 比嘉邦彦教授 プロフィール
米国アリゾナ大学から1988年に経営情報システム専攻でPh.D.を修得。以来、同大学講師、ジョージア工科大学助教授、香港科学技術大学助教授を経て1996年に東京工業大学経営工学専攻助教授に、1999年より同大学理財工学研究センター教授。テレワークおよびクラウドソーシングをメインテーマとして、組織改革、地域活性化、e-コマースなどについて研究。それらの分野における論文を国内外の学術誌や国際会議などで多数執筆・発表。企業へのテレワーク導入ガイドブックの編集委員長、テレワーク推進フォーラム副会長を含めテレワーク関係省庁の各種委員会の委員および委員長を歴任。

最新著書紹介→『クラウドソーシングの衝撃 雇用流動化時代の働き方・雇い方革命

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