
独立後に自分を見失わないために必要なこと
独立後の評価軸をどこにおくか

独立すると自分を見失いがちだが…(平城氏撮影)
独立したら、間違いなく安定した収入は無くなります。 会社員の場合、会社で規定された社内評価というものがあります。 また、同僚や上司からの評価もあります。 多くの場合、業績を上げても給料はそれほど変わらないので、 どちらかといえば、給料ではなく 『周囲からの評価』で 自分の存在価値を認識しています。
一方、独立後の世界は、 自分を評価してくれる仕組みは無くなり、 上司や同僚の存在も無くなります。もちろん、クライアントからの評価というものもありますが、やはりわかりやすいのは、 『収入』です。結果を出せば、収入もそれに応じて増えていきます。 これは会社員時代には味わえなかった『やりがい』となります。
稼いでいる人ほどエライという考えの落とし穴
ところが、この基準にばかり囚われてしまうと、私達は大事なものを見失ってしまいます。『稼いでいる人ほど偉い』というような捉え方に陥ってしまうのです。相手が自分よりも1円でも稼いでいることがわかったら、ついペコペコしてしまうのです。
お金を稼ぐことは悪いことではないし、 稼げるにこしたことはありません。『稼いだ額は自分が提供した価値の証明だ』という考え方もあります。しかし、商売の形は様々で、自分が提供した価値がすぐに顕在化するいわゆる『日銭商売』もあれば、月単位で顕在化するものもあれば、年単位で顕在化するものもあります。また、世界的な芸術家達のように、自分の死後に価値が顕在化する形もあります。最終的にお金という形にならなくても、潜在的に凄い価値を提供している場合もあります。
つまり、独立した後は、自分の評価軸を自分で決める必要があるのです。資本主義経済に生きてきた私達は、つい『収入』や『資産』の額を 評価軸においてしまいがちですが、自分の評価軸が何なのか、しっかりと考える必要があると思います。それが、独立という不安定を選択した後でもぶれずにわが道を突き進む心構えといえるのではないでしょうか。
【プロフィール】平城 寿 Hirajo Hisashi
1976年宮崎県生まれ。九州大学工学部卒(1999年)。もともとITエンジニアで、2004年にSOHO事業者向けビジネスマッチングサイト「@SOHO」を1人で立ち上げ、4年で日本国内No.1の会員規模にまで育て上げる。その後インターネットの可能性に魅了され、自らネットを活用した「場所や時間にとらわれないワークスタイル」を実践。2011年より海外に拠点を移し、アジアを中心に毎月5都市以上を訪問。『海外ノマドスタイル』を確立して、その魅力を発信している。
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