働き方

“日本一のフリーランス島”計画とはどんなものか

投稿日:2015年7月1日 / by

奄美大島をフリーランスが働きやすい島化する

amami奄美大島を日本一フリーランスが働きやすい島にする――そんな壮大な計画がスタートする。日本最大級のクラウドソーシングサービスを運営するランサーズ(株)(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:秋好 陽介)が、鹿児島県奄美市と提携し、実行する。

政府の後押しもあり、地域創生の動きが活発化する中、離島の奄美大島は、フリーランスに活路を見出す。なぜ、フリーランスなのか。その理由は明快だ。新しい働き方の象徴であるフリーランスは、時間と場所に捉われない。つまり、本土の経済圏から離れ、大規模な産業がない同地でも、仕事には不自由しないノウハウを持っているからだ。

実際、ここ数年、同地にはフリーランスや腕のあるエンジニアなどが少しずつUターン、Iターンする事例も増えており、同市でも手ごたえを感じている。そうした中で、「時間と場所に捉われない新しい働き方」を提案し、全国各地でフリーランスとの交流会を行うなど、東京一極集中を是正するアクションを続けるランサーズが合体するのは、ある意味自然の流れといえる。

「先人から守り受け継いできた豊かな自然や島唄等の奄美独自の伝統文化などをもつ、世界自然遺産登録を目指す奄美市では、外海離島の不利性を克服する産業として、情報通 信産業を重点分野に位置づけ各種施策に取り組んでいるところです。今年度、市制施行10周 年を迎え、これからも地方創生をしっかりと捉え、情報通信技術を活用した新しい働き方をランサーズ 株式会社と共に創出し、仕事誘致、定住促進ならびに子育て支援に積極的に取り組んでまいります」と話す奄美市の朝山毅市長。「2008 年のクラウドソーシングの誕生以来、スキルを持ち活躍するフリーラン スは徐々に増えていますが、これまで彼ら向けの行政支援は、あまり多くありませんでした。この度、 奄美市と提携し、国内で初めてフリーランスが住みやすい環境を創る取り組みができることをとても光 栄に思います」と語るランサーズ秋山社長の歩調は、ピタリとシンクロする。

2020年までに200名のフリーランスを育成、50名以上の移住者呼び込み

具体的には、2020 年までに 200 名のフリーランス を奄美市内で育成する。また、50 名以上のフリーランスの移住者を呼びこむことを目標とする。ランサーズは、そのために仕事機会の創出、クラウドソーシングのノウハウ提供を行う。奄美市は、フリーランス支援窓口を立ち上げるなど、フリーランスに対する行政サービスを整え、フリ ーランスコミュニティーの形成、そして育成を行う。さらに、離島のフリーランスにとって不可欠な IT 環境の整備も進めていく。

奄美市は、鹿児島県本土と沖縄本島の中央に位置し、全国の離島の中で佐渡島に次ぎ 2 番目の大きさである奄美大島の 拠点都市として約 4 万 5 千人が暮らす。市内には、マングローブ原生林や特別天然記念物アマミノクロウサギ など、太古の生命が息づく世界自然遺産候補地として多くの自然や景勝地を有する。また、全国的に有名な本場奄 美大島紬や黒糖焼酎のほか、古くから伝承された島唄や八月踊りなどの伝統文化も随所に見られる。

こうした自然や伝統ある島が、“遠隔ワーク”によって仕事に恵まれれば、人口も増え、経済が活性化し、活気づくことになる。地方ではすでに、徳島県神山町で成功事例があるが、離島でのこうした取り組みは前例がなく、プロジェクトの成否は、地方創生の可能性を計る上でも大いに注目される。

 

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について