働き方

急拡大する“亜流”クラウドソーシング

投稿日:2014年12月3日 / by

無料マッチングプラットフォームとして拡大続ける@SOHO

`@SOHOは、プラットフォームに徹することでフリーランスの独立を支援

`@SOHOは、プラットフォームに徹することでフリーランスの独立を支援

クラウドソーシングとは一線を画す形で大きな発展を遂げているのが「@SOHO」だ。同サービスは、フリーランスが登録し、発注企業の依頼を待つマッチングプラットフォーム。現在約24万人の登録会員がおり、大手クラウドソーシングサービスに匹敵するスケールとなっている。

同サービスがクラウドソーシングと大きく異なるのは、一切の費用を取らないという点。企業側もフリーランスも双方金銭が発生しない。つまり、@SOHOは、企業とフリーランスをつなぐのみで、その後は、各自に任せるというスタンスだ。

「@SOHOはあくまでもフリーランスの独立を支援するためのプラットフォーム。クラウドソーシングでは依頼側と受注側の間にシステムが介在します。ということは取引が直接でない。つまり、相手が誰かはあまり重要ではないということです。これでは本格的に独立してやっていきたいフリーランスが独自の顧客を開拓しにくいと思います」(同社平城寿代表)。

ネットの利便性を活用している点や仕事のマッチングの部分は共通しているが、あくまで引き合わせるだけ。それ以上のサポートはしない。あくまでもフリーランスが自立するための手助けをするのが、目的だ。その意味で、ビジネスモデルも考え方もクラウドソーシングとは根本的に違う。

もちろん、運営側として利益を得なければいけないので、キャッシュポイントは設定している。@SOHOの場合、そこが仲介料を取るというモデルではないのだ。ちなみに、@SOHOでは、マッチング手数料ではなく、サイトパワーを活用した全く別の部分で収益を上げている。

手数料を取らず、あくまでフリーランスの独立を支援するプラットフォームとして企業とフリーランスを結ぶ@SOHO。当然ながら、受注側のリテラシー如何で、その後が大きく左右される。せっかくマッチングしても、その後のやり取りで破談となろうが、運営側に責任は問えない。その点では、完全自己責任型といえるが、@SOHO側も登録の際には審査をしっかりと行っており、サイト自体の質低下への予防線はしっかりと張っている。

IT人材の最適化目指すアサインナビ

案件・コンサルタントとITエンジニアを結びつけるプラットフォームとして誕生した「アサインナビ」もクラウドソーシングの亜流として注目されている。クラウドソーシングの利便性をIT業界の人材不足解消ツールとして活用する形で、β版運用を経て、2014年7月に正式スタートした。

「コンサルティング業界において、常に課題となっているのがメンバーのアサイン。人材不足という側面もありますが、それ以上に構造的な問題がある。アサインナビは、そこにメスを入れ、IT人材の最適化を目指し、立ち上げました」と同社では説明する。

2013年末にβ版がスタートし、正式オープンの7月までに仕事依頼総額が50億円に迫り、人材数も1万7,700人を超えるなど、同社の想定を超えるスピードで拡大している。それだけニーズがある証しだろう。

同サービスも必ずマッチング成立までに面接を挟むなど、ヒューマンパワーをしっかり活用し、いわゆるクラウドソーシングの手軽なイメージとはやや異なる。だが、こうした業界人材の最適化ツールとしてのクラウドソーシング活用も今後、確実に拡大するとみられ、ジャンルセグメントにより、全体の質向上にもつながっていきそうだ。

 

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