
今年の新入社員の特徴は「消せるボールペン型」。その心は?
消せるボールペン型社員とは

2015年度の新入社員のタイプは「消せるボールペン」
2015年度の新入社員のタイプは「消せるボールペン型」。公益財団法人日本生産性本部の「職業のあり方研究会」(座長:ライズコーポレーション株式会社 代表取締役 岩間 夏樹氏)が、毎年発表する新入社員の特徴をまとめた。そのココロは?
若年者の就労支援、教育の専門家などで構成され、多くの企業・学校などの就職・採用関係者の協力を得ながら、その年の新卒入社者の特徴や就職・採用環境の動向などについて調査研究を行う同研究会。今年度の新人のタイプを「消せるボールペン型」したのはどういうことなのか。
「見かけはありきたりなボールペン。だが、その機能は大きく異なっている。見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない。ただし、注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、インクが切れてしまう(離職してしまう)」。これが命名の理由だ。
見かけは当然ながらこれまでの新人と変わらない2015年度組。だが、スペックはなかなかのもので、進化を遂げている。活用次第では、大きく開花させることもできるというワケだ。ただし、使い方を誤ると、色を消しかねず、使いやすいからと酷使し過ぎると、ブラック企業と誤解され、すぐにインク切れする危険性をはらむというワケだ。
うまく活用し伸び伸び育てるのがベター
使いづらいというよりは、使う側がうまく使わないと宝の持ち腐れになるどころか、そっぽを向かれかねない。ここ数年の新人の扱い方として特長的な要素を盛り込みながら、若者離職率の高さとブラック企業問題にも触れ、なるほどとうなずけるタイプ設定となっている。
同研究会では、前途有望な新人に向け「新入社員の方々には、若いうちは何度でも『書き直し』ができると思って、失敗を恐れず、のびのびとチャレンジをして職業人としての経験を積んで欲しいものです」とエールを送っている。
ちなみに、2015年入社の大卒新入社員は、現役生なら、東日本大震災の直後に大学に入学している。高校の卒業式がまさにその当日だったり、大学の開講日がゴールデンウィーク後になったりといった体験をしている。また、大学卒業の直前には、フランスでテロ事件が発生し、卒業旅行の行き先変更をした人も多いといわれる。
なお、過去3年のタイプは、昨年2014年度が「自動ブレーキ型」、2013年度は「ロボット掃除機型」、2012年度は「奇跡の一本松型」だった。その後、どんな活躍をしているのだろうか…。