
どうすれば楽をして稼げるのか
情報商材はなぜ怪しいのか

アップル製品なら絶対的な信頼がある(平城氏撮影)
私達の中には、『情報起業』=『怪しい』というイメージが定着していると思います。『詐欺と言われてこそ1人前』という言葉すら存在しているぐらいなのですが、そういった考えの根拠として、人の心の中にある、
・あやしいものの中を覗いてみたい気持ち
・楽をしたい気持ち
をうまく利用して商売につなげよう、という点が挙げられると思います。
『マズローの欲求5段階説』でいうところの、『生理的欲求』『安全欲求』といった下層の欲求をくすぐっているわけですね。だから、『1日2時間で●●円稼ぐ方法』のような商品が売られています。
でも、そういう商品を販売している人達は、『あやしい系』としてカテゴライズされてしまっているのですよね。彼らとしては、あやしく思われるのは仕方がないと完全に割り切っていて、そのマイナスを打ち消すために、派手な生活ぶりを見せることで、商品の魅力を出そうとしていますね。
結局、彼らの商品を購入する顧客は、
・怪しいと思う気持ち
・本当かもしれないという気持ち
の葛藤を抱えながら、恐る恐る購入しているわけです。人の気持ちというものは、
・あやしいものの中を覗いてみたい気持ち
・楽をしたい気持ち
といった欲望に流れやすいので、そういった気持ちにつけこまれた人が、こういった商品を複数回買わせられるハメになり、
・情報弱者
・情報コレクター
といった人達が出てきてしまうのですね。彼らとしても、最初から、リテラシーの高い人よりも、情報弱者だけを相手にしています。
でも、これって商売としてはとても勿体無いと思います。
例えば、中国で買うブランド品のように、『本物かもしれないし、偽物かもしれない』と思いながら買わないといけないのですからね。こういったビジネス手法が良いかどうか、という点については言及しませんが、(もちろん私は100%やりません)こういったビジネス手法を取れる人というのは、
・家族を持たない独身者
・かなりぶっ飛んだ人
のどちらかになります。
つまり、自分の名前がネット上で詐欺呼ばわりされても、世間体的に影響の無い(と考えられる)人ですね。本名ではなく偽名で活動している人も少なくないですね。家庭を持っていて、奥さんや子供がいて、地域のコミュニティーに根ざした生活をしている人には、とうていできない手法なのです。
私には無理無理、絶対無理ですね。
情報商材は詐欺なのか?
またこういった社会現象が起きている中で、一般的なビジネス感覚を持った人達が、『情報発信をもとにしたビジネスを構築する』ということについて強い抵抗感を持ってしまっているのです。情報発信をもとにしたビジネス構築をすすめようとすると、『えっ、私に詐欺をしろと言うのですか?』みたいな(苦笑
ところが、よく考えてみてください。昔から情報をもとにしたビジネスというものは、沢山あります。例えば学校をはじめとする、『教育ビジネス』がそうですね。
では、『あやしい系の情報ビジネス』と『教育ビジネス』の違いは何か? 1つは、
・やっている人の考え方
もう1つは、
・次元の高い欲求を満たしている
ということです。
教育ビジネスは、マズローの欲求5段階説でいうところの、『尊厳欲求』、『自己実現欲求』を満たすものが多いですね。もちろん、『自己実現欲求』を満たすビジネスを、あやしい系でやっている人達もいるのですが。
一方でアップルの製品のように、まるで芸術品のような素晴らしいクオリティーを持っているものは、人は喜んでお金を払って買うわけです。アップルの製品を買うときに、私達は『本物かどうか?』などと心配することはありませんよね?
ここで質問です。あなたは、先ほどの例えの、
1)偽物のブランド品を売るビジネス
=顧客が半信半疑の状態で購入する商売
2)アップルのような商品を売るビジネス
=顧客が絶対的な信頼をもって購入する商売
のどちらをやりたいですか?
難易度はもちろん、2)の方が高いでしょう。短期的に稼げるのは1)の方法かもしれません。でも、1)の方法は長続きしないのです。本当に長期的にビジネスをやりたいと考えるならば、苦労してでも2)の方法を取らざるをえないのです。
つまり、『楽をして稼ぐ方法』などというのは幻想なのです。
【プロフィール】平城 寿 Hirajo Hisashi
1976年宮崎県生まれ。九州大学工学部卒(1999年)。もともとITエンジニアで、2004年にSOHO事業者向けビジネスマッチングサイト「@SOHO」を1人で立ち上げ、4年で日本国内No.1の会員規模にまで育て上げる。その後インターネットの可能性に魅了され、自らネットを活用した「場所や時間にとらわれないワークスタイル」を実践。2011年より海外に拠点を移し、アジアを中心に毎月5都市以上を訪問。『海外ノマドスタイル』を確立して、その魅力を発信している。
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