働き方

若者はなぜバリバリ働きたくないのか

投稿日:2015年1月6日 / by

3ない化顕著な若者

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会調べ

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会調べ

その年の「ベストチーム」を表彰し、日本のチームワークの向上と促進を提案するベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会(委員長:齋藤孝、以下:実行委員会)が、若者のチームワークに関する調査の第15回目として、今年の新成人400人に「将来の働き方」に関する調査を実施。2015年1月6日、その結果を公開した。

「どんな働き方をしたいか」に対する回答は、「プライベート重視」がダントツトップ(75.4%)、「バリバリがむしゃらに働きたい」は2割に満たない19.7%、「働きたくない」が4.9%だった 。さらに働きたい地域については「地元」が42.9%で最多、東京は30.4%、海外は4.6%にとどまった。

いずれも昨年と大きく変わらない結果だが、それにしても安定志向が強すぎる印象だ。一体なぜ、未来への野望にあふれるハズの若者が、〈気負わず、無理せず、ハミ出さず〉の超内向き志向になってしまったのか。調査結果をもう少し精査して、その原因を探ってみよう。

例えば、どんな組織で働きたいか、については「大企業」が1位。100万円あったらどうするかについては「貯金」が約8割でトップとなった。100万円に関する質問は、今回新たに追加されたものだが、ここまでの結果からすれば想像通りの結果になったといえる。

なぜ内向き志向へ行きつくのか

物心ついた時から不景気ムードを感じ取っていた新成人にとって、社会は厳しく、頑張っても報われることはあまりない、というあきらめに近いものしかないのかもしれない。となれば、せめてプライベートは充実させ、その上で、安定した大きな企業でできるだけ長く働き、お金は無駄に使わず将来のためにとっておきたいう心理が強く作用。その結果、こうした志向に行き着いた、というのが自然といえそうだ。

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会調べ

ベストチーム・オブ・ザ・イヤー実行委員会調べ

一方で、同じ世代ながら、正反対といえる尖がりぶりで、社長として躍動する若者もいる。同世代の社会人を「学生気分」と公然とぶった斬り、自らはWAVESTの社長として、有言実行で結果を出し続ける松村淳平氏だ。氏は、こうした若者の状況について「同世代が生温い理由って、〈ゆとり世代だから〉、とか〈教育環境〉じゃなくて、単純に年上がやっていることがダサいって思ってるんでしょうね。アツイのがダサいというか。そういう空気にみんなが同調しているってことなのかもしれません」と分析している。

非常に的を射た解説に思えるが、理想の社会人には7位ながら意外にもアツアツの「松岡修造」がランクインしていたりする。これは明るい材料だが、単に元気をもらう社会人という位置づけの可能性もある。もっとも、トップ3は、「父親」、「両親」、「先生」となっており、8位に「上司」がランクインしているものの実質的にはいわゆるビジネスパーソンは“圏外”といえ、こちらも社会に対するあきらめの思いが反映された結果といえそうだ。

経済が先行き不透明で、その上、70歳まで働くことが常識となることが確実な日本社会。そうした中で、希望にあふれる若者が生まれづらいのは無理もないのかもしれない。だが、安易に「安定」に流れる前に、「バリバリと働きたい」と思える仕事をみつけることにエネルギーを注いでからでも全然遅くはないだろう。若者にとって最も怖いのは、ムードに同調し、自分を見失い、チャンスを逃すことである。

 

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