群衆が動かすビッグプロジェクトVol.3　エキサイト

エキサイトの活用事例

エキサイトは有望な人材を掘り起こすべくCSを活用した

不特定多数の“群衆の叡智”を活用するクラウドソーシング。依頼内容が、簡易的なものならその利用の敷居は低いが、事業の根幹にかかわるような案件をオファーするとなると、“不特定”ゆえにどうしても躊躇してしまいがちだ。

国内大手の検索エンジン/ポータルサイトを運営するエキサイト。その活用事例は、むしろ、そうした不特定の可能性にかけた側面もみられ、興味深いといえる。

同社が投げたのは、女性向けの新規事業立ち上げのための企画書・ディレクションの依頼。企画書とはもちろん、社内稟議等を通すためのもの。こうした企画の場合、アイディアの募集レベルなら珍しくないが、企画そのものをつくる人を求めるというのは、異例だろう。

同社では依頼にあたり「企画の面白さはもちろん、現実性という視点も重要でありWEBプロデューサーおよびエンジニア的視点での構築可能性」を求めている。企画書が通過後の要件定義の過程も視野に入れ、長期間が望ましい、とも。

一歩踏み込んだ人員を募集したワケ

もはや、単なる作業要員の公募ではなく、新規事業立ち上げプロジェクトのコアメンバー募集といっていいレベルの依頼である。女性向けサイトの企画とあって、より斬新でユーザー目線に立ちつつ、テクニカルな側面も持ち合わせた人材の募集だけに、“不特定多数”が逆に同社の期待値を膨らませたのかもしれない。

同社は、利用したきっかけについて「PMリソースの確保、コストダウン」としているが、こうした要望を満たす、まだ見ぬ人材が、クラウドウドソーシングという、ネット上の広大な“スキルのプラットフォーム”には存在する。この事例は、まさにそうした可能性を追求したものといえるだろう。

同社は結局、この案件で企画書制作のみならず、企画ディレクション全体で150万円の契約を成立させている。

従来なら、こうしたプロジェクトの場合、社内でメンバーが集められ、実行されるものだが、斬新なアイディアが出づらいのが現実だ。そうしたときに、クラウドソーシングに着目すると、そこに外部の人材がすぐそこにいるのと同様の機能を発揮するのである。クラウドソーシングが秘めるパワーの一端が垣間みられる事例といえるだろう。

(取材協力=クラウドワークス)