働き方

ついに到来! 立ちデスク時代に知っておきたい5つのメリット

投稿日:2015年8月17日 / by

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メリットだらけの「立ち仕事」

進化するオフィス事情最前線

日本の職場の目線が変わる――スタンディングデスクが、国内オフィスにも急速に広がりはじめている。健康効果や生産性向上が期待できることに加え、従業員の労働環境向上を「投資」と考える経営者が増え始めていることなどが背景にある。“立ちデスク”を推奨する瓦版は、こうした流れを受け、導入すべき5つのメリットを独自に提言する。

着実に近づく立ちデスク時代の足音

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もはや座っているだけの働き方は時代遅れ?

デスクワーク=座って仕事。日本のオフィスの風景は、これまで長らく、それがスタンダードだった。立って働くなど考えもしなかったといっていいかもしれない。だが昨今、その常識がジワジワと崩れ始めている。時に座り、時に立つ。そうした働き方が広がり始めているのだ。

理由はいくつかある。長時間座っての業務が、寿命を縮めるという海外データがあること。姿勢を適度に変えて作業することは腰痛緩和に効果があるといわれる…。こうした健康効果の側面のほか、自在に姿勢を変えられることによる生産性の向上。そしてなによりも、従業員の健康を重視することが経営にプラスになるという考え方がここへきて経営層に浸透し始めていることが大きな追い風となっている。

もっと身近なトピックで示すなら、アップルウォッチの標準アプリに座りっぱなしを予防する「スタンド」が搭載されていることがある。この機能について同社は「座っている時間を最小限にすることは、アクティブであることと同じくらい大切です。小さなことに思えるかもしれませんが、座っている時間を減らすことは、健康の増進に大きな意味があります」と説明している。これを実践するため、スタンド機能では、設定すれば60分に一回、1分以上立つよう促すアラームが作動する。

立ちデスク到来を裏付ける数々の根拠

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ボタンを押すだけで素早く安全に好きな高さに調整できるSwift。国産品として今後の“デスク革命”をけん引しそうだ

10年前に上下昇降デスクを開発した日本のスタンディングデスクのパイオニアといえる岡村製作所は、2014年11月に最新の上下昇降デスク「Swift(スイフト)」を発表した。以来、わずか半年ですでに年間の販売目標を突破する勢いだ。急速に高まる、企業の立ちデスクへの関心をまさに肌で感じている。

「2004年にはじめて上下昇降デスクを開発しましたが、当時と今が違うのは、家具選定が主に総務系での対応だったものが、労働環境や制度をつくる人事部門や経営層が加わることも多くなってきていることです。社員の健康や働きやすさに対し、経費から投資という観点にシフトしつつある流れの中で、導入の意義も変わってきていると感じます」と同社オフィス製品部企画担当の岸一晃氏(写真)は、上下昇降デスクが、誕生から10年の間に単なる備品としてのデスクから経営戦略の一環となるアイテムへと深化したと証言する。

グローバル展開する企業にこうした傾向が強いといい、スタンディングデスクが普及する欧米事情を知る経営層では、特に商談がスムースに進むという。オフィス移転や改装などに合わせ、全てのデスクを上下昇降デスクに入れ替えるケースもあるといい、今後、日本のオフィス風景も様変わりしていきそうだ。

高さは自在に調整できるので、座っての仕事ももちろん可能

高さは自在に調整できるので、座っての仕事ももちろん可能だが、慣れてくるとほとんど立ち姿勢が標準になる人もいるという

スタンディングデスク先進国の製品を輸入し、5年以上前から日本でのスタンディングデスク普及を進めるエルゴトロンジャパンもここ数年、企業の関心が急速に高まっていることを認める。「年々、着実に関心は高まっています。そうした中で、日本では一気に導入まで至らない理由は、多くの人が立って仕事をするスタイルがまだ恥ずかしいと感じているから。その程度のことなんです」と実状を明かす。

こうした慣習的な側面に加え、コスト面も普及へのネックだったが、「スイフト」は上下昇降デスク一般普及のために開発を駆使。価格を大幅に抑制し、グッと手ごろにした。“立ちデスク”導入への障壁は、年々なくなってきている。実際、岡村製作所の商談でも、通常のデスク導入で進んでいた話が、「スイフト」の機能と価格を知り、一転する事例も珍しくないという。

立ちデスクを推す5つの理由

もはや、スタンディングデスク普及夜明け前、といえそうな水面下での活発な動き。働き方改革のベースともいえる、上下昇降型スタンディングデスクへの移行を推奨する瓦版では、これらに加え、独自に5つのメリットを提言する。

(1)疲労軽減

(2)コミュニケーション増大

(3)ダイエット効果

(4)眠気防止

(5)整理整頓

以下にその理由を説明する。

◇疲労軽減

立っているとなぜか会話が弾む

立っているとなぜか会話が弾む

立っても座っても自在に姿勢を調整できるスタンディングデスク。常に自分に最適のポジションがとれることの快適さは、想像以上だ。体調不良で無理に働く人ことで生じる損失は、2,817億円という試算もあり、企業にとってもバカにできない。不自然な姿勢が、知らぬ間にストレスを畜積するともいわれ、ワークポジションの可変性はストレスや疲労軽減への期待がもてる。岡村製作所と(財)労働科学研究所との共同研究でも、立ち姿勢と座りを定期的に繰り返すことで疲労を受けにくいことが実証されている。

◇コミュニケーション増大

スタンディングポジションで仕事をしていると、「声をかけやすくなる」というのが、利用者の意見として多い。近くを通りがかった同僚や上司が、目線が同じでそのまま自然に横に来て、話せることがその理由だ。「よっこらしょ」というワンアクションがなくなることで、まさに見えない壁を取り払う効果が、スタンディスクにはあるといえる。

◇ダイエット効果

特にお腹周りのシェイプアップに効果大といわれる立ちデスク

特にお腹周りのシェイプアップに効果大といわれる立ちデスク

立ったり座ったりすることで血行がよくなる。生活習慣予防も期待できる。当然、筋肉も使われる。特に立ち姿勢の時は、腹筋や背筋を無意識に使っており、それによるカロリー消費がある。バランスボールでも言われたことだが、負荷はそれ以上あり、さらなるダイエット効果が期待できる。実際、愛用者の多くが「ダイエット効果あった」と証言する。特にお腹周りがシェイプアップされるそうだ。仕事をしながら痩せられるとなれば、すぐにでもスイッチしたくなるのではないだろうか。

◇眠気防止

座ると強力な睡魔も立っていると弱体化する

座ると強力な睡魔も立っていると弱体化?する

立っていると、さすがに眠気は起こりにくい。ビジネスパーソンにとって、特に昼食後のデスクワークでは睡魔との闘いが待っている。そんな時、スタンディングポジションで仕事をすれば、それも解消される。昼過ぎのまどろみを、働く姿勢で撃退できるのだから、ある意味ではどんなに生産性の優れたアイテムよりも効果が高いといえるかもしれない。

◇整理整頓

性格にもよるが、デスク周辺は、資料などが山積みになりがちだ。だが、時に立ち、時に座るワークスタイルでは、本能的に身軽になる傾向がある。スイフトは、ボタン一つでスムースに自動昇降できるが、それでも机上が雑然としていると、座り続けている時と比べ、そうした状態がより気になる。結果的に、ズボラな人間でも整理整頓を意識するようになる。

メリットだらけの立ちデスクがもたらすオフィス革命

上記5つが、立ちデスクを進める理由だが、これだけを見ても、企業にとっても、そして社員にとってもメリットしか見当たらないことが分かるだろう。さらにいえば、使えば使うほど、新たな視点が出てくるのも立ちデスクを活用する魅力といえる。海外では、学習効率がいいという観点から、学校への立ちデスク導入の動きもある。もはや、ヒトにとって、立って勉強や仕事をすることの方が、効果的であるとさえいえる風潮になりつつある。

ゆうに半世紀以上は常識だったイスに座って仕事をするというスタイル。もしかすると、それにより、封印されていた思考や発想があったのかもしれない…。それが、オフィスでの“目線”が変わることで、一気に開花することも十分にあり得る。テクノロジーによる、新たな働き方へのシフトが今後、さらに進むことは確実だが、それ以前に働く姿勢を“変革”することで、想像以上の大きなうねりが、日本のオフィスに巻き起こることがあっても何ら不思議はないだろう。

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