
働き方の祭典からみえてきた新たな潮流とは
TWDWオーガナイザー
横石崇氏
2度目の開催でみえてきたもの
“働き方”や“シゴト”にまつわる祭典「TOKYO WORK DESIGN WEEK 2015」(11月18日から11月24日)の開幕が迫ってきた。日本初の働き方の祭典として2013年にスタートした同イベントも今年で3回目。同イベントオーガナイザーの横石崇氏に潮流や今回の見どころを聞いた。
渋谷ヒカリエを拠点に「働き方」をキーワードにしたひらかれた場としてスタートした同イベント。過去2回で、延べ6,000人が参加し、新しい働き方や未来の会社について、アイディアや意見を交換。新しい出会いやスタートが生まれるなど、回を重ねるごとに密度が濃くなり、参加者の意識も高まっている。
「当初は働き方について考える比較的コアな人が多い印象でしたが、回を重ねるごとに大企業の方からの関心が高まっていると感じています。経営者の方も職場をどうしていけばいいのかという視点で思考し始めているということなのかもしれません。私どもへもそうした相談の機会が増えています」と横石氏は、働き方への関心の高まりと潮流の変化を明かす。
大企業に入れば、安泰。これまでの働き方のひとつのゴールだった大企業への就職というひとつの構図は、着実に崩れ始めている。価値観や産業構造がパラダイムシフトする中で、既定路線を歩んできたビジネススパーソンは、どうすればいいのか…。今回のイベントでは、そうした悩ましい状況を解決するヒントとなるセッションが満載されている。
10年後のビジネスモデルを予測する展示イベントも
「今回は、総勢70人以上が登壇し、30以上の働き方にまつわるスペシャルプログラムが用意されています。多くが組織としてのネームバリューでなく、個人の力で道を切り開いてきた人たち。そうした人の働き方やビジネスモデルは、これまでの働き方に浸かってきたビジネスパーソンにとって、多くのヒントや気付きがあると思います」と横石氏は見どころを解説する。
オープニング(11月18日)に登場するのは、マクゴニガル姉妹。姉のケリーはストレスの作用など人の心を研究し、どうよく生きるのかを追求し、「スタンフォードの自分を変える教室」は日本でもベストセラーになっている。妹のジェインは、ゲーミフィケーションを利用し、世界をより良くする方法を模索。その斬新な発想から『Business Week』による「注目すべきトップ10イノベーター」に選出されている。姉妹の同時プレゼン&対談は日本初で、必見だ。

回を重ねるごとに濃密になるTWDW(画像は昨年の様子)
その他にも「女性の働き方」、「クリエイティブな働き方」、「働き方の破壊と創造」、「人工知能と働き方」、「地域で働く」、「新しい雇用関係」など、すぐそこにある未来をテーマにしたプログラムが、7日間にギッシリとラインナップ。「働くの未来」に触れるには、最適なコンテンツが満載されている。
展示プログラムも同時開催される。未来の働き方やビジネスモデルに影響を与えるキーワードが紹介される「10年後のビジネスモデル展」は、現状にモヤモヤ感があるビジネスパーソンには必見。オフィスに小屋を持ち込むことを提案する「家の中の小屋展~暮らしと仕事の境界線~」は、次世代のオフィス像を考える上で大きなヒントが詰まっており、既成概念をほぐす意味でも刺激的だ。
同イベントがスタートして3年。「働き方」というワードが持つ意味が大きくなり、着実に変わりつつある。それは、単に効率的であり、快適といった文脈でなく、生き方の延長線上としての意味合いが明確になりつつあるということだ。どう働き、どう生きるのか。決して大げさに考える必要はない。だが、過渡期のいま、意識しておくにこしたことはない。そのファーストステップとしても、同イベントのカジュアル感はうってつけといえるだろう。