挑戦に年齢は無関係

伝衛門　いや～、すごい。冒険家の三浦雄一郎さんがエベレスト登頂を果たしました。アッシは、箱根のハイキングでもヒーヒーいってんのに…。すご過ぎるでやんす。

お毒　80歳でしょ。ホントに大したものね。体力なんて、30過ぎから落ち始めて、40で階段を上るのに息が切れ、50じゃ坂を上るのも一苦労。60にもなりゃ杖ついて、70じゃ車いすでしょ。それが何十キロものリュックを背負って道どころか酸素さえ薄いところを自分の足で登るってんだからね。ましてや心臓に持病だってあるっていうじゃない。惚れ惚れする偉業よねぇ。

伝衛門　登頂を果たした三浦さんは「世界最高の気分。世界最高齢80歳でまさかココまでこれるとは、着くとは。人生でもこれ以上ない気分です。でも、これ以上ないくらい疲れている。ヒマラヤの景色が眼下に見えています。本当に皆さん応援ありがとうございます」とコメントしてますね。

お毒　人生でこれ以上ない気分だけど「これ以上ないくらい疲れている」ってところが、ものすごく生々しいし、決死の挑戦だったことを物語ってるわね。でもいまは、ネットを使って逐一、チャレンジの過程がみれるのよね。その映像や画像を見てるとホントに三浦の雄ちゃんはカッコいい。いつでも抱いて～って感じよぉ。ホントにお疲れ様。

猫田先生　三浦さんがすごいのは、54歳で世界七大陸最高峰全峰からの滑降を成功させ、一旦燃え尽き、冒険家としての精神と体力を失いながらも再度奮起して70歳、そして今回の80歳での偉業達成、と体力とモチベーションを維持し続けているところなんだな。世のサラリーマンが、60近くなってリストラや失業にあったらどうなるだろう。もはや目の前真っ暗で、中には自殺する人がいたっておかしくないんじゃねぇか。でも、三浦さんの偉業を考えたら、60前で気力を失うなんて甘すぎるって話だよ。何とかこれを励みに、世の“半世紀以上サラリーマン”に再奮起してもらいたいもんだね。

お毒　国の体たらくのせいではあるけど、会社員の定年が事実上65歳まで延長されたわけだし、いまはもうひと踏ん張りしなきゃいけない時よね。80歳でエベレストなんだから、65歳なんてまだまだ全然働けるじゃない。体力の次元が違うんでしょうけど、定年目前のサラリーマンも隠居なんて考えないで、「もう一度日本を復活させてやる」って気概で頑張ってほしいわね。まずは、エレベータを使うのをやめて階段オンリーにする体力づくりから始めたらどうかしら、フフッ。

猫田先生　今回の三浦さんの偉業は間違いなく、団塊以降の世代に希望を与えるだろうな。いまは65歳までとなってるが、今後おそらく70歳くらいまで働くことになっていくだろうしな。歳を重ねれば体力は確実に落ちる。でも、経験はモノをいうし、そこにしっかりとした気力があれば、若者には負けねぇよ。そもそも変に若者と張り合う必要なんてなくて、若者には出せないモノを惜しみなく出すことで会社に貢献すれば、バランスよく会社の発展につながるだろうしな。ちなみに三浦さんは息子もある意味ライバルなわけだが、なにより実父が100歳近くまでチャレンジを続けていたことが、大きな刺激になってたそうだぜ。

伝衛門　80歳の三浦さんが張り合う相手がそのオヤジだったなんて、三浦家の遺伝子はどうなってんすか？　こりゃ、また何年か後にご自分の記録を塗り替える日が来そうですね。

お毒　30年後には日本の人口の36.1%が65歳以上の高齢者になるといわれているの。ってことは、余興かなんかでキャンディーズを結成したらその中の一人は高齢者になるってこと。最近はシニアアスリートの活躍も目立ってるし、もしもシニアオリンピックなんてのが開催されることになったら日本はメダルラッシュになるかもね。これからは「老い」の概念も変わっていくんじゃないかしらね。そういえば、こないだ、新潟かどこかでシニアアイドル誕生、なんてローカルな記事を見かけたわ。アタシももうひと踏ん張りして、オネェアイドルユニットでも結成しようかしら。「OKM60」。どぉ？