インタビュー

フリー転身がもたらした無限の可能性

投稿日:2014年1月31日 / by

ファイルNo.1 吉田 法顕 【フリーランスデザイナー】

フリーランスのイメージがかつてとは変わりつつある。大きな要因のひとつに、ネットの浸透で仕事を探す環境が劇的に変化したことがある。クラウドソーシング(CS)は、いまやフリーランサーの案件探しのインフラだ。この連載ではそれでもなお、ひと超えが簡単でない正社員の壁をまたぎ、フリーの世界へと足を踏み入れたフリーランサーの方々に素朴な疑問をぶつけ、ヒントと元気、そして勇気をいただく。


フリーデザイナー・吉田氏私が「フリー」に求めるもの

――フリーランスの生活を謳歌していますか?
吉田氏 実は私の場合、フリー転身の理由によくある「自由を求めて」みたいな部分はあまり無いです。ですから、朝起きて、お仕事して、夜には寝る。納期に間に合わなそうな場合は残業もする。1日の流れは会社員の方と変わりませんね。

――それは意外ですね。むしろそれなら、「安定」のある会社員の方がいい気もしてしまいます。
吉田氏 私にとっては、同じ自由でも、やりたいことがやれるのが一番大きいかなと思います。クライアントに、そしてエンドユーザーに気に入ってもらえる自信さえあれば、誰の許可も必要なく無茶な提案ができます。

――なるほど。会社に所属していると確かに同僚や上司などの意向を無視するわけにはいきませんものね。
吉田氏 あとは媒体の制限が無いことですね。ゲーム制作会社に勤めていればゲームのデザインがほとんどですし、印刷会社であれば当然、印刷物の案件ばかりになります。私はグラフィック、印刷、プロダクト、ファッション。様々なモノを作ることが好きなので、カテゴリにとらわれないフリーランスのスタイルは自分に合っている気がします。

フリー転身に不安が少なかった理由

――そういう「自由」を求めてのフリーというものあるんですね。自由な「時間」じゃなく、様々な「可能性」。素晴らしいですね。とはいえ、フリーランスになるにあたって不安はなかったのですか?

吉田氏 実家が会社を経営しているので、小さい頃から父と母の後ろ姿を見てきました。もちろん苦労も多いですが、2人の生き生きとした姿を長年見ていたせいか、フリーランスになる不安は少なかったですね。妻もそんな私を理解し、応援してくれているので本当に感謝しています。

強いメンタルが必要なフリーランス

初めてランサーズのコンペで採用された「柚子菓」の店頭写真

初めてランサーズのコンペで採用された「柚子菓」の店頭写真

――いま企業に勤めていらっしゃる方でフリーも視野に入れている人へなにかアドバイスはありますか?
吉田氏 もし会社を辞めてフリーランスになろうとしているなら、メンタルが強くないと上手にやっていくのは難しいかもしれません。同業の方に話を伺うと「修正が終わらない」、「時給換算するとバイトより安い」といった意見が驚くほど出てきます。

――「自由」との引き換えにその「代償」もあるということですね。心構えみたいなものはどうでしょう。
吉田氏 個人的に解決策はひとつ。「自信を持ち、謙虚に、強く生きること」かなと考えています。自分と、自分のお仕事に自信を持ち、決して安売りしないこと。報酬や修正回数は必ず事前に確認し、書面で契約を結ぶこと。明らかに理不尽なことにはハッキリとノーと伝えること。そしてどんなお仕事でも「つまらない仕事」などと思わず、愛を込めて丁寧に行えば必ず喜んでいただけるはずです。

もっと詳細はこちら                (取材協力=クラウドソーシング「ランサーズ」


【プロフィール】
小学生の時、父が起業した際にロゴを制作したことをきっかけにモノを作る魅力に惹かれ、グラフィックデザインからファッションデザインまで幅広く手がける。好きなことを仕事にしつつ、チャンスがあれば多分野で活動したいと日々猛進している。
2002年、映画「Deep Love -アユの物語-」出演。
2005年、PlayStation2「忍道 匠」制作ゲーム収録。
2010年、11th JapanFashionWeek「Tシャツデザインコンテスト」ドワンゴ賞を受賞。
2012年、六本木デザイナーズフラッグコンテスト2012 入賞。
2012年、11月。Francfrancショッピングバッグデザインコンテストにて優秀賞を受賞。
2013年春期の紙袋にデザインが採用され、人生のターニングポイントに立つ。


〈瓦版’インプレッション〉
フリーランスを選択する人の多くは、吉田さんがいうように「自由を求めて」いる。会社員が規制でがんじがらめだからこそ、好きな時間に好きな場所で仕事ができる「フリー」に魅力を感じるのだろう。しかし、実際には、組織の後ろ盾はなく、かえってクライアントからの“制約”を受けることになりがちだ。吉田さんは、“好きにできること”にフリーの魅力を感じている点で、そうしたタイプとは一線を画す。「自信を持ち、謙虚に、強く生きること」。このメッセージに象徴されるように本来、フリーランスもクライアントと対等でなければならない。フリーランスが今後、さらに増大し、正社員並みの市民権を得るとき、間違いなくその主流となるメンタルの持ち主が、この吉田さんのようなタイプであろう。

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