働き方

企業が先生となりオフィスが教室となる大学が開校

投稿日:2013年4月25日 / by
開校式にはキャリア大学に参加する企業、官公庁などの代表が集結した

開校式にはキャリア大学に参加する企業、官公庁などの代表が集結した

キャリア大学の開校式が2013年4月25日、都内で行われた。企業がスポンサーとなり、大学1年生を対象に実践的な講座を行うもので、入学資格は無料の会員登録のみとなる。

同大学は、いわゆる大学とは違い、大学生に早い段階から仕事の現場を知ってもらうことで、多様な価値観、物事を俯瞰する視野などを身につけてもらうことなどを目的とする。受験を終え、ゆっくり時間を取れる夏の本講座がメインとなる。

「今の若者を取り巻く、就職における環境は非常に厳しいものがある。しかし、その原因は若者にだけあるわけではない。なぜなら、彼らが子供の頃は将来に夢を抱き、目を輝かせていたはず。それが、小中高と進むにつれ薄れていく。だから、また夢を抱ける教育の場を大人が作らなければいけない」と同大学の設立を企画運営するNPO法人キャリアクルーズ理事長の松本勝氏は企画背景を力説する。

閉塞感が漂う日本にあっていま、そのしわ寄せが確かに若者にいっている感はある。若者から夢や希望が失われ、負の連鎖に陥りつつある。同大学は、そうした空気に風穴をあけるべく、同法人の音頭のもと、各企業がビジネスにおけるライバル関係を取り払い、結集。若者一人一人が社会で活躍できるキャリア育成の場を作ることで共鳴し、実現にこぎつけた。

講座は、各企業の“得意分野”を中心に構成され、「国づくり学部」、「グローバルマーケット学部」、「ものづくり学部」、「グローバルビジネス学部」、「ライフデザイン学部」など、全9講座がラインナップ。企業、官公庁、国際機関、NPO,NGOなどを中心に、単なる就業体験にとどまらないより実践的な講座が、受講者に提供される予定だ。

グループに分かれた学生が理事会参加国になりきり、白熱の擬似安保理を展開した

グループに分かれた学生が理事会参加国になりきり、白熱の擬似安保理を展開した

日本では学生時代のキャリア体験といえば、飲食を中心としたアルバイトや企業でのインターンシップなどがあるものの、それ以外の業種でのこうした形のより実践的なキャリア体験機会はほとんどない。そうしたことなども、採用におけるミスマッチが起こりやすい要因のひとつともいわれている。

この日は、開校式終了後、プレ講座として外務省で「外交交渉シミュレーション」が行われた。実際の安保理を模し、参加した学生がグループに分かれ、擬似安保理を展開。講座を担当した外務省スタッフもその白熱の内容に「予想以上」と参加した学生のレベルと熱意に驚いていた。

なお、講座は夏がメインで大学1年生が対象だが、「キャリアサポート講座」では大学一年生以外の学生や社会人の参加可能。講座は、参加無料だが、定員を超えた場合は抽選となる。

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