働き方

世界初の産業用ロボットの「目」が変える工場の未来像とは

投稿日:2012年10月18日 / by

生活を支援するロボットたち
「JAPAN ROBOT WEEK 2012」が2012年10月17日、東京ビッグサイト(東京江東区)で開幕した。市場創出への貢献度や期待度の高いロボットや部品・ソフトウェアなどを表彰する「第五回ロボット大賞」(主催=経済産業省)では、各賞の授賞式が行われた。

全応募のうち、最も優れたものに授与される「ロボット大賞」には、パナソニックの「生活支援ロボットソリューション事業の推進」が選ばれた。ロボットありきのビジネスモデルからユーザー主導型でイノベーションを興す発想転換により、社会実装を実現したことなどが評価された。

各賞の受賞が行われる中、瓦版編集部が注目したのは、最優秀中小・ベンチャー企業賞に輝いた三次元メディアのロボット用3次元ビジョンセンサ「TVSシリーズ」。一見地味だが、そのポテンシャルは、まさにこれからの働き方を大きく変える可能性を秘めている。

まず簡単にこの製品がどんなものか説明しよう。その名の通り、3次元で「見る」システム。要するに工業機械の「目」というわけ。なぜこれが革新的かというと、これまでの工業機械には「目」がなく、決まった動きしかできなかった。それゆえ、掴むものは決まった場所に設置されていなければ機能しなかった。しかし、「目」が搭載されることで、荷姿がばら積みであったり、バラ置きでもしっかり認識できるため、人の補助なしでも作業をこなす。

それでいてその動きはこれまでの工業機械同様のスピード感を維持。しっかりと流れてくるモノを見極め、臨機応変に対応する姿はまるで生き物のようで、お見事。「30年来、市場で求められていたものだが、技術的な問題もあり、実用化できなかった。この製品によって、これまでの生産ラインにはどうしても人が必要だったが、全自動化も夢ではなくなった」と同社代表取締役の徐剛氏は説明する。

すでに採用実績もあり、高い評価を受ける同ロボット。かつて、全自動洗濯機の登場が、主婦の生活を大きく変えたが、この製品が拓く新たな工場の姿は、労働者にとって、どんな変革をもたらすのか…。単純労働に時間を割いていた作業者が、製品クオリティにかかわる部分に労力を注げるようなれば、よりベターな工業ロボットと人の共存が成立しそうだ。

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