働き方

改正高年齢者雇用安定法への企業の対応アンケート

投稿日:2013年1月18日 / by

民間調査機関 (財)労務行政研究所は、本年4月施行の改正高齢法への企業の対応を探るため、緊急アンケートを実施。 改正法への対応では、 1.今回から廃止される「労使協定により限定する基準」の見直し、2.継続雇用制度における経過措置の利用予定、3.グループ企業への雇用拡大、人事制度の見直し意向等が明らかに。
民間調査機関の労務行政研究所(理事長:矢田敏雄、東京都港区東麻布1-4-2)では、本年4月から施行される改正高年齢者雇用安定法(以下、改正高齢法)に対する企業の対応を探るため緊急WEBアンケートを実施した。

改正高齢法への対応では、現在、「労使協定により継続雇用者の対象者を限定する基準」を「設けている」企業は86%に上った。今回の改正でこの仕組みは廃止されるため、本年4月から、これらの企業は希望者全員を継続雇用制度の対象とする必要がある。ただし、平成25年3月末までに継続雇用制度の対象者の基準を労使協定で設けている場合は経過措置が認められ、厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢に到達した以降の者には、引き続き基準を利用できることになっている。

具体的には平成28年3月末までは61歳未満の希望者全員が雇用対象となるが、61歳以上の者は労使協定の基準に適合する者に限定できる。

「継続雇用制度における経過措置を利用する予定」と回答した企業は65%で、今後も経過措置にのっとって、引き続き対象者を限定したい意図が垣間見られる。

また、定年を迎えた高年齢者の継続雇用先を、自社だけでなく、グループ内の他の企業(子会社や関連会社)まで広げることができることについては、「広げる予定」と回答した企業は18%にとどまり、企業規模で格差がみられる結果となった。

なお、今回の改正で希望者全員を継続雇用制度の対象となることに伴い、若年層の採用抑制を懸念する声がある。
そこで、継続雇用者が増加した場合の若手・中堅層の採用抑制の意向を聞いたところ、「そう思う」 18.2%、「ややそう思う」 25.5%で、両者を合わせると43.7%となり、若年層をめぐる雇用情勢が一層厳しさを増すことが予想される結果となった。

調査要領
1.調査対象および集計対象
『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB労政時報」の登録者から抽出した人事労務・総務担当者の合計5366人を対象に、WEBによるアンケートを実施。このうち、回答のあった142人(1社1人)について集計

2.調査時期
2012年12月4~13日

※詳細は添付資料を参照ください。

●本調査結果の詳細は、当研究所編集の『労政時報』第 3838号(13.1.25)にて紹介いたします。

財団法人 労務行政研究所の概要
設立 1930年7月
理 事 長 矢田敏雄
事業内容
1.人事・労務の専門情報誌『労政時報』ならびに「WEB労政時報」のコンテンツ編集
2.労働関係実務図書(労政時報選書等)の編集
3.人事・労務管理に関する調査など
住 所 〒106-0044 東京都港区東麻布1-4-2
U R L http://www.rosei.or.jp/

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