働き方

全ての仕事は、道楽みたいであり、同時に価値あるものである

投稿日:2017年3月13日 / by

どんな仕事もなくならない理由

ケーキが無くても、コーヒーが無くても、映画が無くても、スポーツが無くても、小説が無くても、マンガが無くても、人間は生きていけます。つまり、パティシエも、バリスタも、映画俳優も、野球選手も、小説家も、漫画家も、なくても生きていくのには困らない仕事なのです。そんな事を言ったら失礼だ!と怒られそうですが、事実そうなのだから仕方ありません。

もしも無人島に漂流して、「あ、私はバリスタやります!」とか「サッカー選手やります!」とか「マンガ家になります!」とか言ったら、そんなことやってる場合か!と、みんなから怒られてしまうでしょう。生きていくために絶対必要なのか?と、問われたならば、この世の仕事の大半は、消え失せてしまいます。境目研究家などは、まず最初に消え失せます。実に、悲しいことです。

でも安心してください。生きていくのに必要なくても、仕事は決してなくならないのです。境目研究家もなくならないのです。なぜなら、仕事とはそういうものだから。仕事は真面目にやらなくてはならない。そういうイメージ、というか先入観が、私たちの中には刷り込まれています。でも仕事なんて、そんな大それたものではないのです。

仕事の素晴らしさを考えることが「非常識」なんておかしな話

人間が仕事と呼んでいるもの。営業とか、接客とか、調理とか、給料計算とか。あるいは人間国宝と呼ばれる人たち。何十年も修行して、茶碗を作ったり、絵をかいたり、舞を踊ったり。どれも尊敬に値する作業だと思います。でもその尊敬は、人間にしか通じないのです。

何をもって素晴らしいのか。何をもって厳かなのか。何をもって尊敬に値するのか。そういうことを考えること自体が、不真面目で、非常識で、恐れ多いこと。なぜか仕事に関しては、そういうアンタッチャブルな、反論を許さない圧力みたいなものが、あります。でも冷静に考えてみたら、おかしな話です。

単にものを売るのが上手いだけ。切ったり、煮たり、焼いたりするのが、得意なだけ。粘土を捏ねたり、整形したりするのが上手なだけ。怒られそうな話なんですけど、それが事実なのです。

境目を研究するのが得意。なんて言ったら、みんなに笑われますけど、だったらサッカーも、料理も、陶芸も、営業も、全部一緒じゃないですか。すべての仕事は、なんてことのない、道楽みたいなものであり、そして同時に、とても厳かで、美しく、価値のあるものなのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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