働き方

不真面目にみえる経営者ほど真面目な理由とは

投稿日:2017年7月24日 / by

変人・安田の境目コラム

1枚500円の名刺は単なるムダなのか

会社にBARをつくった時、頭がおかしいんじゃないかと言われました。ひとつ500円もする名刺をつくった時には、ついに気が狂ったと思われたことでしょう。

でも、もちろん、それは販促だったのです。営業電話をかけるのと同じ。DMを送付するのと同じ。商品を売るための、投資活動。

私のやり方は、よく邪道だと言われます。もっと真面目にやれ!と。もっと常識的にやれ!と。でもそれで、売れるのでしょうか。

断られても、通い続ける。一本でも多くの電話をかけ続ける。それが営業の王道である。そう信じている人の、何と多いことか。

王道か、邪道か。そんなことは、どうでもいいのです。売れればいいのです。商売には、王道なんて無いのです。どんな事をしてでも、売った者が勝ち。もちろん、脅したりとか、騙したりとか、違法な事はダメです。そもそも、そんなことをしても、売れません。

「商売に王道はない」の真理

では、どうすればいいのか。そこに答えは無いのです。つまり、違法じゃなければ、何をやってもいい、ということです。

商売は、何でもあり。何を売ってもいいし、どうやって売ってもいい。私はそう理解しています。そして、それが商売の本質であると、確信しています。

多くの経営者は、「まず商品ありき」で考えます。この商品を、どうやって売るのか、と。ウチは印刷屋だから、不動産やだから、本屋だから、商品は決まっているのだ、と。

でも、商品なんて、買う人が決めるものです。植木ばさみをオブジェにしようが、シェークスピアを枕にしようが、そんなことは本人の自由なのです。つまり、本屋が枕を売ってもいいし、不動産屋が採用ノウハウを売ってもいいし、印刷屋が骨董品を売ってもいい。売って儲かれば、それは立派な商売なのです。

商売とは、イノベーションです。商売とは、クリエーションです。そして商売とは、イリュージョンです。発案し、創造し、楽しませること。

真面目な経営者ほど、不真面目なのです。不真面目に見える経営者ほど、真面目なのです。

常識に囚われず、業界に縛られず、とんでもない商売を考え出すこと。それこそが、経営者がやるべき、本当の仕事なのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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