働き方

劣等感から脱する目からうろこの方法とは

投稿日:2017年10月10日 / by

変人・安田の境目コラム

とにかく競争が嫌いだから会社員から逃げ出した

私はずっと、本流から外れて生きてきました。いや、競争から逃げたと言った方が、正しいです。同級生から逃げて家にこもり、受験から逃げて海外に行き、会社員から逃げて独立し、社長から逃げて放浪しました。

私はとにかく、競争することが嫌いなのです。比較されることも嫌い。何かを強制されることは、最も嫌いです。だから学校は、とても苦痛でした。年表や公式の暗記を強要され、テストの点数を比較され、あらゆる点で他の生徒と競争させられる。

社会人だって同じです。会社に行くことを強要され、営業成績を比較され、社内の人間と競争させられる。嫌で嫌で、仕方ありませんでした。でも、そこに居たら、従うしかない。なぜなら、とてつもない劣等感を、背負わされてしまうからです。

勉強ができない。走るのが遅い。営業電話が掛けられない。売上げ目標が達成出来ない。そういう立場に立ったときの劣等感たるや、半端ありません。お前なんか人間じゃない、と言わんばかりの圧力が、伸しかかって来るのです。

劣等感から解放されるためにしたこと

だから私は、降りる決断をしたのです。本流から降りて、楽になる。そのためにアメリカに行き、そのために会社をつくりました。最初はとても快適でした。無意味な受験勉強から解放され、窮屈な会社員生活から解放されました。でもそれも、長くは続かなかったのです。

確かに、社長になると、強制はされません。でもやっぱり、競争はあるのです。他の会社と競争し、他の社長と比較される。競争し、負けることによる劣等感。比較され、下に見られることによる劣等感。

学生の時も、会社員の時も、社長になってからも、社長を辞めた後も、劣等感は付きまといました。それは結局、自分自身の問題なのです。他人と比較しているのは、自分。競争に勝とうとしているのも、自分。

劣等感から脱する方法は、ひとつしかありません。それは、勝とうとしないこと。優越感に、浸ろうとしないこと。勝ちたいと思った時点で、人はもう負けているのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について