働き方

2017年の最悪企業9社が確定

投稿日:2017年11月27日 / by

「ブラック企業大賞2017」のノミネート9企業が決定

「ブラック企業大賞2017」のノミネート企業が、決定。ブラック企業大賞実行委員会が2017年11月27日、発表した。政府が働き方改革に力を入れる中、長時間労働に関する暗黒企業が目立つ結果となった。同日より、WEB上に公開され、一般投票の受け付けを開始。選考委員による審査を経て、大賞・各賞を決定する。12月23日に都内で授賞式を行う。

ノミネート企業9社の内、実に7社が長時間労働に起因する理由でリストアップされた。6回目を迎えた同賞は、働き方改革の機運が高まる中とあって、その流れに乗り切れていない企業が名を連ねる結果となった。

いなげやの過労死では、亡くなった男性の発症前4か月の時間外労働は96時間35分。タイムカード打刻前後のサービス残業が行われていたことが確認されている。パナソニックの過労自殺では、残業時間が100時間を超える月もあることなどが確認されている。新潟市民病院の過労自殺では、月の残業時間が長い月で251時間。NHKの過労自殺でも月の残業時間が209時間とされている。大成建設の過労自殺は自殺前一か月の残業時間は約190時間。ヤマト運輸でも月102時間の残業が確認されている。

働き方改革で鮮明になる経営のまずさと社員の幸福度

政府が推奨する働き方改革では、時間より成果、長時間労働の是正が重要テーマの一つとなっている。社員を長時間働かせ、プライベートを犠牲をするスタイルはもはや誰の得にもならず、日本の将来に何の希望ももたらさないという考えだ。そうした中で、月の残業時間100時間を優に超える過重労働を課し、自殺や死に至らせている事実は、経営の怠慢であり、企業としての存在意義すら疑われるといっても大げさでないだろう。

大和ハウス工業の事例では、一度是正勧告を受け、以降は一定時間になると消灯し、社員を帰宅させるなどの長時間労働対策を実施。だが、実際には社員は多量の業務があり、業務後にも営業車内などで隠れて深夜残業していた。実行委員で弁護士の佐々木亮氏は「業務量を減らさずに残業を減らす末路」とバッサリ切り捨てたが、経営のまずさが社員を不幸にする悪しき事例の代表格といえるだろう。

ノミネートされた企業の事例の多くは労災認定されている。もっとも、それはあくまで企業と労働者間で労働による災害と認められたに過ぎない。働き方改革の浸透に比例し、遺族などが会見などで公表する事例が増え、ブラック事案が闇に埋もれるケースも減りつつある。とはいえ、まだまだ漆黒の事例は後を絶たない。同賞では、受賞企業に招待状を送っているが、いまだ出席企業はゼロ。当然かもしれないが、詫びに出てくる企業が現れるくらいの意識改革が進まなければ、ブラック企業発生の根が絶やされる日はこないのかもしれない…。

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