働き方

小説家を目指していた私がたどりついた「ライター業」

投稿日:2017年12月21日 / by

さまざまな職業経験が拓く物書きへの道

10歳から小説家を目指していた鍋谷さん。その間、小説家に留まらずいろいろな職業を経験。それらすべてが今のライター業に役立っているといいます。さまざまな職業についてきた過去。そしてその意味について「今、考えていること」を素直な気持ちで語ってもらいました。(powered by THE LANCER編集部)

「小説家になりたい」と努力したことが今の自分の土台

私は、実のところ、初めからライターを目指して活動をしていたわけではありません。初めは小説家志望だったのです。8歳のときに、5つ上の姉の真似をして「お話」を書き始め、10歳からはそれが日課になっていました。この頃から「小説家になること」を夢見て、15年ほどずっと書き続ける生活を送ることとなります。

本格的に動き始めたのは24歳のときから。このときから小説雑誌の新人賞への投稿を始めました。毎日欠かさず小話を書き、投稿を続ける日々でしたが、そのときに家族から、「こういう方法からアプローチをするやり方もある」として、一冊の本を差し入れられました。そこには、「WEBライターを経て小説家になる方法」が書かれていたのです。

私がWEBライターを始めたのはこれがきっかけでした。元々、「WEBライターになりたい!」ということではなく、「小説家になる一つのアプローチ方法」として、WEBライターを志したのです。

葬儀会社や販売員としての経験も今の自分の肥やしに

もちろん、「小説家になりたい!」と思って執筆をしていたとしても、家で一日中書いていられるわけではありません。生活するためには、当然のことながら、働かなければなりませんでした。


私は、若いときからさまざまな職業を経験してきました。たとえば、葬儀会社。人の死に接し、人の悲しみに接する仕事ではありましたが、ここで学んださまざまなことは、ライターになった今では非常に貴重な知識となっています。

もう一つ特徴的なのが、デパートの惣菜売り場です。ここでは、盛り付けと販売を担当していました。料理関係の記事の執筆していくなかで、今でもこのときのことをよく思い出します。

ファミリーレストランでホールスタッフとして働いていたときのことは、現在、「店舗運営」「人材管理」の記事の執筆、そして「取材」を行うために役立っています。

さまざまな職業経験がもたらす確かな知識

上でも軽く触れましたが、今まで積み上げてきた経験というのは、今の私を支えるとても大きな武器になっています。

小説家を目指して「長く書き続けたこと」は、現在の私の一番のウリである「スピード」をつくってくれました。早いときは、1分間で100文字を打ち込めます。

また、「読む人を意識して、わかりやすく状況や単語を説明することの大切さ」もこのときに学びました。

フードアナリストの資格も取得

葬儀会社に勤めていたことも、私のウリの一つです。冠婚葬祭はすたれることのないテーマですが、それを「内側の事情」を知ったうえで書けるというのは、とても大きな武器です。また、葬儀のことを書くときは単純に「知識の伝達」をすることだけでなく、「寄り添うような文章」を書くこともできるようになりました。

デパートで学んだ「食材の組み合わせ」と「盛り付け技術」は、料理の仕事を専門の一つとするようになった今、非常に役立っています。一般的ではない、しかしおいしい、ちょっと珍しい食材の組み合わせ方法、どのように盛り付けしたら写真映えがするのかを意識して書く事が可能です。

ファミリーレストランで学んだ接客術や基本的な知識は、取材記事や店舗運営の記事を書くときに役に立っています。

葬儀会社に勤めていたときに知った金額設定の事情や、デパートに勤めていたときに習ったうまく盛り付けるための技術、ファミリーレストランで知ったトラブルへの対処方法……。これらは今も、「生きた知識」となって私を支えています。

編集部などに所属したことがなく、ライターとして会社に勤めた経験さえもなかった私が、ヤフーのトップページに記事が取り上げられたり、アクセスランキングでトップをとったり、夢の一つであった紙面での連載経験を持たせてもらったりしたことも、これらの経験に支えられてのことだと考えています。

これから先も、数多くの「経験」を積み重ね、「未来の自分」につなげていきたいと考えています。

▽フリーランスの情報発信メディア「THE LANCER」より転載

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