働き方

新たな価値を生み出す「捻り」の加え方

投稿日:2018年8月22日 / by

変人・安田の境目コラム

人の紹介に価値を生み出す“捻り方”

人を紹介するときには、ちょっとした捻りを加える。それが私の流儀です。私は何事も素直には出来ないのです。でも私が出会いを捻るのは、性格がひねくれているから、というだけではありません。新たな価値を生み出すためです。

例えばAさんをBさんに紹介する場合。こちらAさんです。こちらBさんです。あとは二人でよろしく。これでは話が盛り上がりません。もちろん、最初からお互いのニーズがマッチしていれば、話は別です。AさんがBさんから得るもの。BさんがAさんから得るもの。それが明確であり、お互いにメリットがあれば、放っておいても話は盛り上がります。

でもそういうケースはとても少ない。ほとんどの出会いは、単なる出会い。ニーズとか、メリットとかまで、発展しない出会い。だから私はそこに、捻りを加えるのです。

まず、Aさんが持っているもの(価値)と、Bさんが求めているもの(ニーズ)を比較する。次に、Bさんが持っているもの(価値)と、Aさんが求めているもの(ニーズ)を比較する。どちらかの持っているものと、どちらかの求めているものが一致していれば、放っておいても会話は進みます。問題なのはそれが一致していない場合。

この場合、価値とニーズを加工する必要があります。Aさんが持っている価値に捻りを加え、Bさんのニーズにもちょっと手を加え、二つの形がピタリと収まるように、微調整するのです。

余計なお世話が高める価値

ちょっとした余計なお世話です。この人は私の価値を高めてくれる。この人は私のニーズを分かってくれる。この人は有益な人を紹介してくれる。そういう人の所に、人は集まって来るから。

これは人と人との出会いに限りません。人と会社の出会いや、人と商品の出会い、商品と商品の出会いなど、捻りの技術はあらゆる出会いに有効なのです。

では、捻り力を磨くにはどうすればいいのか。重要なのは常に考えることです。この人にはどういう価値があるのか。捻ればどういう価値に変化するのか。この人のニーズは何によって満たされるのか。捻ればどういうニーズに変化するのか。知恵の輪を捻るように、目の前の人を捻るのです。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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