
フルオーダーYシャツを破格値で提供できる理由
営業Sは、見た目がイケていない。トークもまずまず、資料作りもなかなか。目をつむっていれば、それなりのビジネスマンのセールストークで、思わず聞き入ってしまう。だが、見た目がいけない。それが原因かはともかく、営業成績は宝の持ち腐れの様に低空飛行が続いている。
何とか突き抜けてほしい。そこで、M部長が、Sの身だしなみアップを計画。いつもよれよれのワイシャツに身を包むSにオーダーメイド品をプレゼントした。馬子にも衣装か、サイズの合ったワイシャツを着ると、実はマッチョなSの体が強調され、イケてるビジネスマンに見えてくる。ヘアスタイルもおしゃれ番長のS嬢にセットしてもらい、眉のカットとおしゃれメガネで、完全に生まれ変わった。
感謝感激のSは、営業成績での100倍返しを誓い、予算をヒアリング。その破格値に驚いた。なんとワイシャツは4,980円だった。どう安く見積もっても1万円は超えると見込んでいたが、その半値だった。一体、どうなっているのか。
理由は、ネット販売に特化した戦略にある。サイト上で生地、袖、襟の形、クレリック、袖のカタチ、ボタン、ポケットなどを選択し、デザイン。最後に採寸して数字を入れる流れだ。製造を海外工場で行うことでさらなるコストダウンも実現している。こうした結果、オーダーメイドのマイワイシャツが、格安で購入できる。
サイトを運営するのはJapan ITソリューションズ。「CHOICE」というECサイトで販売する。社名にあるようにネットの力で課題を解決することをビジョンとし、「質を下げずに低価格で提供することで、フルオーダーシャツをより身近なものにする」ことを目指し立ち上がった。
すっかり自信をつけたSは、来月の目標をさらにアップし、200倍返しを決意。M部長にとってはたった5,000円程度で部下のモチベーションをこれだけあげられるとはお安いご用と思っていたが、「達成したら池袋のフーゾクごっちゃんです」とSから追加支援の要請。見た目は変わったSだが、フーゾク好きの中身までは変わるはずはなかった…。