
サラリーマンの秋冬の“癒し”アイテムに異変

ホットジンジャーエール
一気に秋めいてきた。サラリーマンの休憩時のほっとひと息にもホットが恋しいシーズンだ。ホットドリンクの王道といえば、缶コーヒー。ほろ苦さと温かさは、肌寒い季節の一瞬のリフレッシュにもってこいである。実際、ある調査でも「よく購入するホットドリンクの種類」でコーヒー飲料が8割近くで圧倒。5割を切る紅茶、緑茶の追随を許さない。
ところが、このホットドリンク戦線に2013年は、ちょっとした波が起こっている。新たなタイプが相次いで殴り込んできたのだ。そのジャンルとは「ホット炭酸」。なにゆえに炭酸をホットにするかは不明だが、珍しさだけでなく、美味しいからに違いないだろう。
2013年10月21日には日本コカ・コーラ社から「カナダドライホットジンジャーエール」が発売された。あのジンジャーエールのホット版だ。11月5日にはキリンビバレッジから「キリンの泡 ホット芳醇アップル&ホップ」がコンビニ限定で発売された。前者は4年、後者は3年の歳月を開発までに要したという。炭酸は温めればあふれるイメージがあるだけに、その問題をどうクリアするかが難題だったのであろう。

キリンの泡
代名詞のコカ・コーラで知られるように本家では炭酸飲料を125年以上製造している。そうした流れを受け継ぎながら、世界初のホット炭酸を送り出す日本コカ・コーラ社は「日本は加温製品が自販機やコンビニで販売される世界でも珍しい国。こうした特徴が新カテゴリー開発につながった」と説明。キリンも「炭酸飲料の新しい飲み方を提案したい」と新ジャンル定着に自信を見せる。
いつのころからか、サラリーマンのホットドリンクといえば缶コーヒーが主流となっている。その缶コーヒーもいまやドリップ式で格安の「コンビニコーヒー」に席巻されている。ホットドリンク戦線は、例年にない群雄割拠状態となっている。切れ味と冷えた体を温めることでは分がある炭酸飲料。夏の“王者”のまさかの殴り込みで、ホット飲料勢力図にさらなる激変が起こるのか、注目である。