
スポーツ界のパワハラ問題
伝衛門 痛ててっ。また、おっ師匠に殴られましたよ。少しは手加減し欲しいっすよ。
お毒 愛の鞭なんだからガタガタいわないっ。それにしても最近はスポーツ界で体罰が随分と問題となってるようね。指導の中で、暴力や暴言が横行しているってことみたいだけど…。
伝衛門 大阪の高校では殴られた生徒が自殺。女子柔道では、殴られた選手が集団で告発し、大騒動になってますぜ。愛の鞭とは違うんすかねぇ。
お毒 愛の鞭ってのは、信頼関係があってこそ。2つの事例では、それが全くなかったってことね。そうなるともう憎悪の鞭よ。愛どころか憎しみが増していくだけの関係になっちゃうわね。
猫田先生 スポーツの指導での体罰なんて珍しいことじゃない。ただ、2つの事件の最大の問題は、指導する側とされる側の絶対的な主従関係があり、さらにその上に大きな重圧があった、という点だ。特に女子柔道の問題は、監督が男性で指導される側が女性、ということが、信頼関係を築く上で配慮に欠ける面があったということだろう。その前には、男子の柔道金メダリストが教え子の女子に手を付けた問題があったばかりだし、柔道界に鬱積していた女子の不満や怒りがここで一気に爆発した感じだな。
お毒 アタシは男には尽くして付いていく古いタイプのオンナだから、少々気の毒な感じはしてるんだけど、やっぱりそこに付け込まれるといい気がしないことは確かね。柔道家の人は、その辺の気が回らない人が多いのかしらね。それとも金メダルを取らせなきゃいけない、ってことの重圧は想像を絶するものがあるのかしら…。
猫田先生 こうした問題は、何もスポーツ界だけじゃなく、会社においても十分にあり得る。売り上げノルマを達成できない部下を「死ね」、「バカ」呼ばわりし、灰皿を投げつけるような上司はいまでもどこの会社にも一人はいるだろう。もちろん、完全なパワハラだが、なかなか表面化はしてこない。それが日本の体質、という部分でもあるわけだが、そろそろそうした古いやり方も通用しない風土に日本も変わりつつあるんじゃないか。
伝衛門 おいらの周辺じゃその気配はないようです^
お毒 文科省は「日本スポーツ史上最大の危機」なんて言ってるようだけど、これで逆に変な圧力がかかって柔なオトコが増えるのもやぁねぇ。「日本男子最大の危機」じゃないかしら。まぁ、いまは医学も科学も進歩してるから、そっちの方を上手く活用する方向で、強いニッポンになってくれればいいけど…。オネェの方は一足先に随分と恩恵を被ってるわよ、ウフフッ。