働き方

働く20代女性が10年後に後悔しないためのライフキャリア戦略

投稿日:2015年11月13日 / by

安易な離職が危険なワケ

ビースタイル・グループの子会社で<27歳からの「これからの転職。」>を運営する(株)Shiftがさきごろ、女性求職者向けにライフキャリア戦略セミナーを実施。集まった20代ビジネスウーマンに、スマートにキャリア継続する処方箋と長く働き続けられる企業の見極め方を伝授した。

キャリア継続に不安を抱える女性が多数集まったセミナー

キャリア継続に不安を抱える女性が多数集まったセミナー

結婚・出産後も就業継続を希望しているが、周囲にロールモデルもおらず迷っている、管理職への出世やキャリアアップできる職場への転職を考えているが、どんな基準で会社を選ぶべきかわからない、現在の職場に大きな不満は無いが、このまま働き続けてもよいのか漠然とした不安がある…。この日集まった約30人のビジネスウーマンの多くは、こうしたモヤモヤを抱えつつ、講師の話に熱心に耳を傾けた。

「安易な離職は危険です。一度正社員を辞めると戻るのは難しく、非正規スパイラルに陥ります。その結果、生涯年収で2億円近い差が生まれてしまうのです。にもかかわらず、寿退社はいまだ2割もいます(平成25年データ)。周りに流されてはいけません」と講師の松本恵氏は釘を刺した。

安易な離職に、ここまで警鐘を鳴らすのは、20代での誤ったキャリア選択が、世帯年収格差を生むからだ。生涯換算で2億円の差は衝撃だが、加えて、今後、男性の年収も上がる見込みはない。下手をすれば、リストラの憂き目に遭う可能性もこれまで以上に高まっている。だからこそ、女性はよりスマートに働き続けねばならず、そのためには、明確な戦略が必要になる。それも、“転職自由度”の高い20代での立案が必須だ。

スマートなキャリアプランを立案するポイント

その上で、松本氏が、戦略立案におけるポイントとしてあげるのは次の2つ。<男性を頼りにしない>。<予測不能なことも敢えて織り込む>。前者は、先行き不透明な経済情勢にあって、男性の収入をあてにできない時代ということ。後者は、育児はもちろん、病気や介護などあらゆるリスクを想定し、生涯必要年収を考えるということだ。

もはや、女性の自立を推奨しているかのようだが、最悪の事態を想定しておかないと、この先何が起こるか分からない時世。裏を返せば、それだけ、働く女性のキャリアの確保は、これからの時代、死活問題といっていい重要事項なのだ。これまで、多くの女性は結婚や子育てなどで、離職し、復帰してきた。だが、決してその境遇は恵まれているとはいえない。その原因は、会社の不理解はもちろんだが、働く女性自身の無策にもある。だからこそ、同社は、明確な戦略の立案、そしてそれを実現するためのタイミングを重視する。

転職前にチェックすべき就労環境

決して転職を推奨しているワケではない。先行き不透明な時代に、働く女性がより豊かに暮らしていくための極意を伝授しているに過ぎない。現職に満足していれば、留まることも立派な選択肢だ。その上で松本氏は、就業環境のチェック項目20を挙げる。その内6つをピックアップするので、ぜひチェックして欲しい。

(1)20時以降の残業は当たり前の感覚である
(2)上司が遅くまで仕事をしているので帰りにくい
(3)社内の女性管理職は10%未満
(4)昇進・昇格している人は長時間労働者が多い
(5)デスクで弁当を食べながらPCに向かっている社員が多い
(6)活躍しているワーキングマザーはほとんどいない

どうだろうか。いくつも当てはまるようでは、到底女性が活躍できる職場環境とはいえない。将来を見据え、安心して働き続けたいなら、現在地での就業継続は考えた方がいいかもしれない…。

女性活躍推進法案成立から2か月。今後、職場で女性が活躍しやすい環境は着実に整備されていくだろう。それとは別に、これからは世帯年収格差が拡大する。女性が、男性と対等に働いてようやく安心して暮らしていくベースが確保できる時代へと突入する。それはつまり、女性をうまく活用出来な企業は淘汰され、自分軸で地に足をつけて活躍出来ない女性は安心した暮らしから遠ざかるということだ。本当の意味で、女性が活躍するために真剣に働き方と向き合わねばならない時代がやってきたといえるだろう。

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