働き方

なぜ同一労働同一賃金が重要なのか

投稿日:2014年11月7日 / by

お毒 またパートが一人辞めちゃったわ。給料が少ないんだってさ。パートなんだから、少しはガマンして欲しんだけど…。

猫田先生 お前さん、パートなんだからっていうけど、仕事の内容はどうなんだ。正規契約のスタッフと変わんないだろ。だとすれば、辞められてもしかたねぇワナ。

毒舌家

お毒 同じ仕事じゃないわよ。パートの方は皿洗いからトイレ掃除、接客、呼び込みまで何でもやってもらってるわよ。スタッフの方は主に接客、ね。

物知り

猫田先生 ますます辞められても仕方ねぇな。それでスタッフの方が給料がいいんじゃ、パートはやってられんだろ。先日、民主、維新、みんな、の4党が「同一労働同一賃金推進法案」を衆院に共同提出したが、これからは同じ仕事なら同じ賃金という流れだ。こんなのは欧州では常識。日本が非常識なだけなんだがな。だいたい、正社員の方が給料がいいっていっても、実力は非正規の方が上、なんてことは珍しくないだろ。お前んとこみてぇによ。実力以外になにを査定して差がついてんだ。

お毒 だってスタッフの方はアタシのタイプだしぃ、アタシのいうことをよく聞いてくれるもの。ずっと守ってあげるわよ手当ってところかしら…。

猫田先生 エコひきいなだけだな。これからの時代、そんなんじゃ、優秀な人材は集められんぞ。なにより、日本はこれから少子高齢化が進み、労働力が不足する。何かと融通の利く契約社員が正社員と待遇が変わらないなら、例えば産休後も働き続けたい女性にとっちゃ、安心して産休出来る。残業も基本はないわけだから、帰社も気兼ねなくできるだろ。さらに、転職だってしやすくなるしな。

お毒 そんなの社員の方に都合よ過ぎじゃないのかしら。いつでも辞めれるし、早く帰れるんだから、多少賃金が低くても我慢してよって話よっ。

猫田先生 そういう考えが非常識なんだな。仕事なんだからあくまでも、業務内容が重要。会社への忠誠心なんか二の次でいいんだよ。ダラダラ残業なんて、いびつな忠誠心の象徴だな。契約に則って、キチンと仕事を遂行し、それにふさわしい報酬をもらう。プロフェッショナルだよ。

おっちょこちょい

お毒 なんか嫌だわ。そんなのだったらロボットの方がまだましって感じ。人間なんだから、好き嫌いや人情が絡んでこそじゃないのかしら…。

猫田先生 会社が誰のためにあるかってことじゃねぇか。儲けるのはもちろんだが、それ以上に何らかの形で社会に貢献するためだろ。その一員が、エゴのようなものに振り回されてそこへ向かうなんて、ムリがあるってもんだろ。契約形態じゃなくて、働きぶりできちんと評価する。本来、こんなことは最低限守るべきことだろ。いままで、格差があったのは、ホントにいびつだったと思うぜ。

お毒 百歩譲って認めるとしても今度は、スタッフの方がへそ曲げないか心配だわ。

猫田先生 それで辞めちまうようなら、その程度の人材ってことだよ。潔くあきらめろ。

伝衛門 無職の場合はどうなるんでやんか?

お毒 同一労働同一賃金、つまりアンタは労働がないんだから、同一にゼロ円ってこと。

猫田先生 今回の4党の共同提出は、派遣法改正案の対案として出されている。つまり、派遣労働者の受け入れ期限を事実上なくすんだから、待遇もちゃんとしようぜってことだ。これが通過すれば、日本の労働市場は、流動化へ向け、大きくうごめきだすだろうな。要するに、正規と非正規の変なゆがみを是正して、最適なところに最適な人が配置されるように働きかけてるってことだ。そうしねぇと、日本の労働力は偏重にして、不均衡になる。ただでさえ人口解減るんだから、国力も弱まっちまうというワケだ。

 

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