働き方

「仕事行きたくない」人と下着被る変態の共通点

色丞恭介(変態仮面)

見た目は変態だが、紛れもない正義のヒーロー

「変態仮面」。ネーミングに凝った風俗店ではない。立派な正義のヒーローである。ただし、その風貌は、ブーメランパンツに網タイツ。パンツはちぎれんばかりにズリ上げて肩でクロス。そのため、お稲荷とサオの部分は大変なことになっている。そして顔には生パンティをズッポリ――。どう見ても変態だ。

変身前は色丞恭介という高校生。人一倍正義感が強いが、ケンカには勝ったことがない。拳法部に所属も鍛錬の成果は実生活ではまるで無益。そんな恭介の父は、ドのつくMの刑事。母はSMの女王。良し悪しはともかく、秘めたるパワーは爆発的なものがあるハズである。ところが、恭介は高校生になってもまるでダメ男。いかつい見た目もごつい体も宝の持ち腐れ。才能の片りんすら見られない。あまりのふがいなさに、母からは連日のムチによるお仕置きだ。

oshaburi

変態性が引き出す潜在能力の悲劇

人は普段、能力の30%程度しか使えていないといわれる。なにかきっかけがあれば、潜在能力が引き出され、場合によっては100%全開になることもある。ある時、恭介は、ふとしたことから女性用パンティを被ることになる。恭介のために弁護すると、どうしても顔を隠す必要があり、その時たまたまパンティがあったのである。被った瞬間、恭介の体内で何かが目覚める。体の奥に電気が走り、まさに能力全開!。超人的な力を発揮する。おかげで大好きな女の子を人質にとった悪人を見事撃退だ。正義のヒーロー、変態仮面誕生の瞬間だった。

だが、愛しの彼女を救えた喜びはほんの束の間。ヒーローへ向けられる目は、変態を見る目そのもの。抱きつかれ、キスされてもおかしくないシチュエーションで、不潔なものでも見るような冷め切った視線を送られる。その容姿をみれば当然のリアクションだが、素顔の恭介は深く落胆する。そして「俺は変態じゃな~い!」と心の中で大声で叫ぶ。以来、恭介は、正義のヒーローとしての使命と自身の変態性の狭間で揺れ動くことになる。遺伝子のいたずらがもたらした運命の悲劇というしかない…。

最後は正義が勝つ

本当に恭介は変態じゃないのか、やはり変態なのか…。実はそんなことはどうでもいい。確実にいえることは、「変態じゃない」と否定しながら、変態の格好になり、正義のヒーローとして、爽快感を味わっているということだ。変態の容姿になる羞恥心よりも正義感が上回っているということなのだろう。やがて、そんな姿に愛しの彼女も「変態」に対する偏見をなくし、変態仮面に恋心を抱くようになる。

仕事に行きたくない会社員と変態の共通点

会社では、毎日のように「仕事に行きたくない」といいながら、しっかり通勤している社員がいる。なかには抜群の成績で優秀社員として表彰されていたりする輩もいる。「イヤよイヤよも好きの内」、という言葉がある。その類なのか…。変態仮面に照らすなら「仕事に行きたくない」は実は「仕事に行きたい!」という欲望。そして、パンティを被る姿は、会社へ通勤するという姿、ということになる。つまり、「仕事に行きたくない」といっている会社員は、そうやって会社好きを隠すことで、自分を納得させ、気持ちよく出勤ができるということなのだろう。

それにしても一体なぜ、わざわざ会社嫌いの仮面を被る必要があるのか。会社が好きで何が都合が悪いのか。会社好きはカッコ悪いのか。それとも単なるMなのか…。カミングアウトすれば能力が100%発揮されてしまう。もしかするとそれが怖いとでもいうのか…。いずれにせよ、その心理は、本質的には変態であることを隠そうとする変態と同類といえるだろう。「仕事に行きたくてたまりませ~ん」。たった一言そういうだけ。それで日曜夜のモヤモヤが晴れるなら、こんな素晴らしいことはない。少なくともパンティを被るよりは、100倍ラクなハズだが…。

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