働き方

転職に役立つ資格ってある?

転職や就職に役立つ資格を紹介する。広く需要のある資格もあれば、特定企業において必要とされる資格もある。

広く企業でニーズがある資格

まずは転職先のジャンルを特定せず、広く有用な資格を紹介する。

TOEIC

世界約150ヵ国で実施されている「英語でのコミュニケーションスキル」を問うテストだ。合否判定はなく、10~990点までのスコアが付く。

TOEICは転職にどう役立つか

グローバルに展開する企業であれば、応募資格にTOEIC何点以上と基準を設ける場合も。何点のスコアを基準に設けるかは企業によって様々だが、600点以上は必要だと考えるのが良い。700点や800点以上を応募資格に据える企業も存在している。海外で働きたい、海外の人と仕事がしたいという人は、TOEICのスコアを磨き続ける努力をしなくてはならない。

また楽天やホンダなど英語を社内公用語にする企業も現れている。このような企業の場合は、TOEICのスコアか、海外で働いた経験などを求めるのだ。あるいは入社時は中級程度の英語力で良くとも、入社後にスコアによって昇進が左右する状況が生まれるだろう。TOEICのスコアが高ければ、転職する企業の選択肢が広がるといえる。

簿記

簿記とは、企業の利益や保有する財産を把握、記録、管理して、企業の経営状況を明らかにする技能のこと。

簿記は転職にどう役立つか

まず企業の経理部門で働きたい人は簿記の取得を目指すべきだ。経理、財務、会計などの職種では、応募資格に簿記の保有を求める企業も少なくない。簿記は4級から順に最も難関では1級があり、転職に役立つのは2級からだと考えておこう。

また簿記が役立つのは、経理のような専門部署のみではない。どのような仕事をしていても、簿記の知識があれば個人でコストを意識した動きを取ることが可能となるのだ。

例えば新たな企画を考える際、コストを加味した工程を策定する必要がある。誰にどのくらいの工数を割かせるか、人件費はいくらになりそうか、企画の値段をいくらに設定すれば利益が出るのかなどが考えられるだろう。経営者でなくとも、働くうえではこのように地に足のついたコスト感覚を持つことが必要となる。

転職に役立つ簿記2級の試験内容はどのようなものだろう。日商簿記検定試験のホームページには、以下のように記載されている。

高校程度の商業簿記および工業簿記(初歩的な原価計算を含む)を修得している。財務諸表を読む力がつき、企業の経営状況を把握できる。相手の経営状況もわかるので、株式会社の経営管理に役立つ。2級以上の合格者は 大学等の推薦入学に有利です。

大きく分けると「商業簿記」「工業簿記」の2科目で、70%以上の得点取得が合格基準となっている。

MOS

MOSとは、Microsoft Office Specialistの略で、ワード、エクセル、パワーポイントなどの知識やスキルを証明する資格だ。マイクロソフト公認の資格であり、全世界で実施されている。

MOSは転職にどう役立つか

求人情報の応募資格には「基本的なパソコン操作(ワードやエクセル)」と記述されていることも少なくない。なぜなら仕事をするうえで、大多数の人はマイクロソフト社のワードやエクセル、パワーポイントなどを使用する機会があるからだ。とくにエクセルは人によってレベルが幅広く、高度な機能が使えると、そのスキルは職場で重宝される。しかしワードやエクセルなどのスキルは、入社前に証明してみせることが難しいためMOSが大いに役立つのだ。ただ「使える」と言うよりも、「MOSの資格を持っている」とアピールする方がその実力は確実に伝わるだろう。

転職に役立つ特定ジャンルの資格

以下で紹介する資格はあらゆる企業において役立つわけではないが、保有していると就職や転職で有用だ。

宅地建物取引士

不動産業に就職・転職したい人には必須といっても過言でないのが、宅地建物取引士という国家資格だ。不動産取引には多額が動くこととなるため、顧客は慎重に決断する必要がある。この時に、専門家である宅地建物取引士のアドバイスが重要な役割を持つこととなるのだ。

宅地建物取引士は転職にどう役立つか

宅建業者は、従業員の5人にひとり以上の割合で宅地建物取引士を置くことが法律で定められている。つまり先の通り、不動産業を目指す人は宅地建物取引士の資格保有が大きなアドバンテージとなるだろう。また不動産事業を行う一般企業や、銀行でも役立つ資格といえる。銀行ではとくに、不動産を担保にした貸出業務において直接的に有用な資格だ。自身が独立開業する場合は、土地を購入、賃貸、売却などの機会において宅地建物取引士の知識を生かすことができる。

介護福祉士

介護福祉士とは障がい者やお年寄りといった、身体の不自由な人を手助けするエキスパートだ。介護に関する資格の中では唯一の国家資格。身体の不自由な人の介護はもちろん、同じ現場で働く介護ヘルパーの指導を行ったり、利用者や家族からの相談に応じたりと、介護に関する様々な役目を担っている。介護福祉士の受験資格は福祉士養成施設を卒業した人か、介護職の実務経験を3年以上経験している人に限られ、すでに介護関連の仕事についている人で、自身のキャリアップのために資格取得を目指す人も少なくない。

介護福祉士は転職にどう役立つか

介護福祉士は、介護に関する確かな知識と経験を備えていることで近年広く認知されている資格だ。現代の高齢化社会において、福祉施設や医療現場では常に求められる人材であるため、就職や転職で困ることはないだろう。また介護サービスの提供を行う民間企業で働く上でも有利となる。今後さらに介護サービスを提供する企業は増加すると考えられる。

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