働き方

「福利厚生が充実してる」会社はこんなことをやっている!

あなたは今の福利厚生に満足していますか?
福利厚生とは職場の「働きやすさ」を左右する要素である。
新しい「働き方」を模索するとき、あなたにとっての「働きやすさ」とは何だろうか?
瓦版のインタビュー記事と照らし合わせ、理想の「働きやすさ」について考える。

無能な事勿れ主義上司

福利厚生が会社を回す

そもそも福利厚生ってなに

1 – 福利厚生制度とは、一般に、使用者が労働者やその家族の健康や生活の福祉を向上させるために行う諸施策を総称していう言葉。

2 – 法定福利費は、法律によって使用者に実施が義務付けられている福利厚生にかかる費用で、社会保険料の事業主負担を指す。これに対し、法定外福利費とは、法律によって定められていない、使用者が独自に行う福利厚生にかかる費用を指す。

出典 – 独立行政法人 労働政策研究・研修機構

金食い虫?

労働環境をよりよいものにするため福利厚生はある。
法律によって労働者に実施することを定められているのが「法定福利厚生」で、会社の負担する社会保険(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、労働保険料、児童手当など)がこれに該当する。対して、法律によって義務付けられていないものを「法定外福利厚生」と呼び、労働者の任意によって使用できる。具体的には、住宅手当、家賃補助、法定健康診断への上積み、法定の育児・介護休業への上積み、運動施設や保養所などの余暇施設、文化・体育・レクリエーション活動の支援、社内預金、社員食堂などが当てはまる。

同時に福利厚生は会社の負担にもなっている。
厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、常用労働者1人あたりの労働費用総額に対し、福利厚生は全体の12%近くを占めるとされている。高度成長期には、人材確保のため社宅や余暇施設などの拡充が図られてきたが、少子高齢化に伴いそれらは余剰設備として重荷となった。法定福利厚生は法律によって定められており内容は変更できない。現在、資金繰りには法定外福利厚生の見直しが中心とされている。

選択的福利厚生制度(カフェテリアプラン)

カフェテリアでお好みの料理を選ぶように、あなたの好みの福利厚生を選択できる制度。
従来の一律定型的な支給ではなく、社員が事前に会社からポイント(予算)を与えられ、そのポイントの範囲内で、住宅・医療・育児・自己啓発などの法定外福利厚生を利用できる。80年代に米国で広まり、日本では大手通信教育会社が95年に導入したのが最初とされている。

ポイントは平等に支給され、使わなければ損なので、社員の福利厚生への関心を高める効果が期待できる。カフェテリアプランを代行する受注業者もあり、ポイントを使えば業者の用意したアクティビティを利用可能。リゾート施設や人間ドックなど、カフェテリアプランは多様化する「働き方」のニーズに応えるようにして現われた、新しい福利厚生のカタチである。

「福利厚生が充実してる」会社って何だろう

福利厚生は金銭の担保だけではない。より広義には「働きやすさ」の意味でもある。
「福利厚生が充実してる」会社は、社内でどんなことを実施しているのか?
インタビュー記事を中心に、「働きやすさ」という観点から見てみよう。

▼「人と会社をしっかりと結びつける為の採用を実施する会社」
人の得手不得手は表裏一体で、他人の短所ばかり目につく人は、同時にその人の長所も目にしていると言える。コールド・ストーン・クリーマリー・ジャパンでは、アルバイトを「クルー」と呼び、面接を「オーディション」と言う。3時間におよぶアルバイトの面接も、明示されたビジョンを目指し、人と人とが仕事を通して真剣に向き合っている所以である。

▼「愛社精神ならぬ「愛社員精神」を実現させている企業」
「人儲け」という聞きなれない言葉について、今後はこの概念がビジネスの新しいスタンダードになるかもしれない。アドウェイズでは社員と会社をつなぐ人事戦略室を立ち上げ、社員の誕生日に「お米」をプレゼントしたり、模範的な社員に「賞与」ではなく「名誉」として、本格的なミニドラマを作って贈呈している。離職・転職が当たり前となる世の中で、「愛社員精神」へ圧倒的なリソースを割く企業に迫った。

▼「人は何のために働くのか」
実は、「サラリーマン」は和製英語である。「サラリー」の語源はラテン語の塩(salarium)。仕事の対価として生活必需品である「塩」を受け取っていた昔の人々をモデルに、大正時代の日本人が作った言葉だ。仕事の対価として「お金」をもらうことだけが働く意味と本当に言えるか?いろは出版「新しい働く理由をみつけよう —What is your salary?—」を読み、「働きやすさ」について問う。

▼「ジョブローテーションで社員が自立していく環境を」
頻繁に社員を部署異動させている会社がある。タマノイ酢では「ジョブローテーション」として、「1年1部署」を基準として社員を異動させる。普通の会社員はそれぞれが「専門職」を持っているだろうが、この会社では全ての社員が等しく「総合職」である。お互いのポジションを知ることで、情報共有が円滑になる。「働かされている」感を出させない、当事者意識を高く保つための試みを紹介する。

▼「働き方の最高責任者“CWO”が誕生したワケ」
CWOとは、チーフ・ワークスタイル・オフィサーの略だ。クラウドの名刺管理・共有サービス「Sansan」や、50万人以上のユーザーが利用する名刺管理アプリ「Eight」を開発したSansanのオフィスは、新しい「働き方」の、まさに博覧会である。サテライトオフィスの運用をはじめとした「非連続の成長」「転地効果」「ハンモック」「希少植物」など、先鋭的なワードが並ぶ同社の業務革新へと迫った。

▼「社員が会社全体を動かす試み“ワーキンググループ”」
決済という手堅いビジネスモデルで、イージーミスの許されない職場において、社員に「チャレンジ精神」を持ってもらうにはどうすればいいか?ネットプロテクションズでは、社員全員で会社を作るという標榜のもとに、若手が進んでチャレンジできる環境として「ワーキンググループ」を発足した。ワーキンググループの仕事は主に風土形成や新卒採用など。「全員が経営者を持つ」とはどういうことなのか?担当者にうかがった。

▼「オフィスを持たずに活動を続けるNPO団体」
ファザーリングジャパンは「笑っている父親」を増やすことを目的として活動している団体。そしてこの団体には「オフィス」がない。ほとんどの会社員が毎日「オフィス」へ出社して仕事をしているだろうが、「オフィス」そのものがないとはどういうことだろうか?主宰者によると「オフィス」をなくすことで不便になった点は「全くない」という。当たり前に疑問を呈す働き方へのインタビュー。

▼「“アンチブラック”な働き方を目指す会社」
「売り上げ至上主義」が仕事の全てではない。働き方が問われる時代、拝金主義的なビジョンはナンセンスである。ギャプライズには気ぐるみを着た社員がいる。社内に「着ぐるみ福利厚生」があるからだ。仕事に対して「遊び心」を持つことを理念に掲げる同社会長、以前は「売り上げ至上主義」の現場で働いていた。マネタイズよりも「遊び心」。ホワイト企業とはこういうことである。

▼「ガレージにオフィスを構える個性派企業の働き方」
自分が「歯車の一部」と感じたことがあるだろうか?個人を活かすことは企業の永遠のテーマだが、一方で平均的なパフォーマンスを得るにはマニュアルや形式が必要になる。RIDE MEDIA&DESIGNでは「個が輝けるクリエイティブクラスカンパニー」を理想に掲げ、その第一歩として、改造したガレージを同社のオフィスにした。個人の可能性を最大限に引き出す組織作りとは?取締役にうかがった。

▼「働くって自由なことなんだ。仕事を楽しむためにやること、知ること」
子どものための職業体験のテーマパークが盛況を博しているように、大人のための職業体験にも需要がある。その需要に応えるのは仕事旅行会社が提供する「仕事旅行」だ。「ワークライフバランス」が取り沙汰され、仕事と生活のあり方が問われている昨今、仕事は生活と切り分けるものではない。仕事こそ生活の一部なのである。自分にとっての「働きやすさ」とは何か、考える機会にしてほしい。

そのほかのインタビュー記事はコチラ

また近年、新しい働き方として注目されているクラウドソーシングを使って従業員の働きやすさを追求できるという意見もある。東京工業大学の比嘉教授は企業のコスト削減だけではなく、業務に対する従業員のモチベーションを向上させる手段としても活用できるという見方を示した。クラウドソーシングが従業員の働きやすさにどう繋がるのか。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

クラウドソーシングによる人材育成

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