働き方

復興・創生人材に求められる一番大事な資質とは【瓦の目】

投稿日:2016年3月11日 / by

5年目以降に横たわる復興の課題

ビズリーチが「東北 復興・創生人材」の合同公募を開始(~4月5日)した。東日本大震災から5年が経ち、十分ではないながらも、被災地のハード面の復旧は終盤に差し掛かっている。だが、大きな問題がある。場所は整備されても、そこに「人」がいないのだ。

左から青柳氏,村上氏,浪江町役場・森田氏

左から青柳氏,村上氏,浪江町役場・森田氏

せっかく大金をかけて整備しても、そこにコミュニティがなければ、宝の持ち腐れ。立派な設備も、そこに血となる人が定着し、共同体が構成され、市場が出来なければ、壊死してしまう。そこで、東北エリアはいま、次なる復興のフェーズとして、その潤滑油となる優秀な人材を求めている。

石巻市6次産業化・地産地消推進センター事務局長の村上忠範氏は「足りないものは販路です」と切実な声を挙げる。実は、同氏も大手メーカーで36年勤め、59歳になって、被災地復興人材に応募。いまに至る。地元民とは違う目線で、刺激を与えながら復興を支えている。地元の人が、その地元愛だけで復興を推進するにはもはや限界がある。

復興人材としてスキル以上に求められるもの

日本財団「WORK FOR 東北」事業統括として、人材の視点から地域づくりに取り組む青柳光昌氏は「外部からのいわゆる『よそ者』は、地元にはないいろいろなアイディアを持ち込み、刺激を与えてくれる。若い人材にとっても、被災地で働くことは非常に大きな成長機会になると思う」と首都圏のプロ人材にラブコールを送る。

物理的に復興したエリアに、血となる「人」を呼び込むことが求められる今、首都圏の民間企業で活躍する有能な人材が持つスキルやノウハウは、大きな価値を持つ。どのように設備を機能させ、市場を創りだし、それらが継続的に回る仕組みを構築するのか…。首都圏で当たり前のように行ってきたことを、マイナスの環境からスタートするミッションは、キャリアを磨く上でもかけがえのないプラスとなるハズだ。

地方で、復興支援に東北で、はたまた、海外で働く。結局、どこで働くにしても、働く人が、なぜそこで働きたいのか、が明確でなければ、移住型転職がうまくいかないのは自明だ。その意味で始めから目的が「復興支援」となっている東北には、迷うことなく魅かれるだろう。だが、だからこそ単なる地方転職と同列にスキルや能力だけで貢献につながるわけではないことを忘れてはならない。一番重要なのは、赴任する地域に1人でも多くの笑顔が増えるイメージを想像できる「人間力」だ。

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