働き方

クラウドソーシングの最大の魅力【瓦の目】

投稿日:2016年3月18日 / by

クラウドソーシングで食っていけないことを心配するナンセンス

少し前にネット界隈でクラウドソーシングだけで食べていける人があまりに少ないことが話題になっていた。それに対し、サービス提供事業者を心配するような言説も見られた。完全にピンと外れだと思う。確かに、ランサーズやクラウドワークスは、新しい働き方のひとつのカタチとして、クラウドソーシングを打ち出している。それは世の中を変えるサービスを提供する企業が掲げるビジョンとして当然といえるだろう。

01図

だからといって、それだけで食べていける“プロクラウドワーカー”が少ないこととは全く別問題だ。なぜなら、クラウドソーシングは、インターネットを活用した、仕事と人材のマッチングサービスに過ぎないからだ。企業努力として、発注企業を増やし、その質を上げ、さらには登録ユーザーの報酬をできるだけ多くなるようにすることは求められるだろうが、そのあたりで十分だろう。

その意味では、うまくマッチングできないからサービス提供事業者として質が悪く、怠慢だ、とパッシングするならまだ筋は通る。なによりのポイントは、クラウドソーシングでは、サービス提供事業者が、「我々の登録ユーザーは厳選された優秀なユーザーばかりです」と謳っていないことだ。フリーランスが利用するプラットフォームなのだからだ当然だろう。もしかしたら優秀な人もいるかもしれないサービスの中で、そのマッチング精度を高めなければいけないのだから、少し気の毒とさえいえる。

クラウドソーシングの本当の醍醐味

その上で、正社員、非正規に次ぐ、第三の働き方として、新たな働き方の選択肢になることを打ち出しているのだから、多くの人がクラウドソーシング=新しい働き方、と混同してしまうのも無理はないかもしれない…。だから、あんなピンとはずれな論調が出てきてしまうのだろう。昨今はリモートワーク導入企業が急速に増えており、クラウドソーシングは単に時間と場所に捉われない働き方を謳うだけでは、その魅力が伝わりづらくなっている。それでも、仕事の絶対量が少ない地方や時間の制約が多いママなどには抜群に都合がよく、手軽に小遣い稼ぎができるインフラとして機能しつつある。

クラウドソーシングは、確かに新しい働き方に通ずる次世代型のサービスに違いない。だが、その本質は、不特定多数の叡智をネットのチカラで瞬時に集約できることにあることを忘れてはならない。誰も解けないような難題をクラウドソーシングに提示すれば、驚くべき速さで解決策が上がってくるだろう。それで食べていける、とか新しい働き方だ、ということでなく、ユーザーも発注側もいま一度、そうしたクラウドソーシングの潜在力を再評価する必要があるかもしれない。キーワードは「感動」だ。さもなくば、クラウドソーシングは拡大こそすれ、単なるデジタル内職に留まり、本来の目的と受益者がズレたウィン-ルースなサービスに陥りかねない…。

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