働き方

クッキングパパは男と女の家事格差解消の切り札になるのか…

投稿日:2016年3月28日 / by

共働きの夫・パパが料理を体験してみた

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食品ECのオイシックス(株)(本社:東京都品川区、代表・高島宏平)と、(株)ABC Cooking Studio(本社:東京都千代田区、代表・櫻井稚子)がさきごろ、都内で共働き夫婦の夫・パパを対象とした料理体験イベントを開催した。女性が働きやすい社会の実現を目指す「Women Will / #HappyBackToWork 」の活動に賛同したもの。

スーツにエプロンでクッキングに奮闘

包丁でニラを刻み、豆腐を手の平の上でカットして、調味料を分量を量りながらフライパンに注ぎ、炒める。スーツ姿にエプロンをつけて、「つくり方」を片手に、男がキッチンでぎこちなく動き回る姿は、なかなか微笑ましい。数年後にはこんなシーンが、当たり前になる世の中が実現するのか…。

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2人一組で“設計図”をにらみながらの料理姿は微笑ましい…

あくまで、イベントのワンシーンだが、参加した男性21人は、ほとんどが共働きで、少なくとも奥様に負い目を感じ、「何とかしたい」という思いで、自ら進んで参加している。大半の参加者は、いつもならまだ、仕事をしている時間帯だが、イベントのために早めに退社して駆けつけた。その意味では、女性活躍推進法が施行される直前のタイミングに、これだけの男が、家事負担軽減への意思を行動で示したことは評価できそうだ。

時短献立キットで時間通りに調理を完了

もっとも、調理に使用したのはオイシックスの時短献立キット「Kit Oisix」。食材のほとんどが加工されており、料理は手順に従って、最低限調理すれば、あっという間に完成する。まさに、プラモデルの料理版といえる。実際、全ての参加者が、主催者が設定した20分間で、主菜・副菜の2品の調理を滞りなく終えた。毎日、仕事を終えてから、手間暇かけて料理する奥様方にすれば、微妙な心境かもしれないが、新鮮な食材を使った料理ができあがる事実は、十分、評価できるだろう。

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“セミインスタント”ながら自分で作った料理は格別

実際、オイシックスの調査では、女性の家事時間は1日179分。その内、食事の準備には、1時間31分を費やしている。一方、男性の1日の家事時間は37分。食事の準備に関しては、わずか10分だ。事実上、何もしていないに等しい。ある参加者は「妻の料理中は晩酌しています」と少しだけ申し訳なさそうに明かした。もしも、こうした“お殿様”が、同キットを使い、週に1度でも殿方が料理の手伝いをすれば、奥様の家事時間は確実に短縮される。専業主婦ならまだしも、共働きとなればなおさら、協力は不可欠といえるだろう。

男性の家事への協力が女性活躍のキーに

このイベントを企画した女性は「とにかくダンナに料理するきっかけを与えたかった」と切実に明かした。結論をいえば、男性陣にきっかけを与えることにはなった。「週末だけでも料理の手伝いをしたい」、「妻や子供がおいしいというご飯をつくってみる」という前向きな声が多く聞かれたのは大きな成果といえる。料理まではしないにしても「いままで以上に妻に感謝したい」、「ありがとうという」と妻への労いの思いが強まったという男性が多かったことも前進といえ、十分に評価に値するだろう。

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最後に明日からやります家事宣言。あまり無理なことは言いません…。

参加者の多くが、このイベントを機に着実に家事協力へ前向きな姿勢を示す中、なんと、4月に妻が出産予定で「育休を取る」という、お手本のような男性もいた。同氏は「このイベントには育休を取る一環で参加した。いままで妻が当たり前にやっていることを自分が当たり前にできると思わずやる」と宣言。参加者からもその家事・育児への参加姿勢には称賛の声があがった。同氏が所属する会社では、比較的休みは採りやすい風土というが、男性の育休取得は初めての事例になるという。

4月から施行される女性活躍推進法は、職場で女性が活躍することを後押しする法律。確かに働く女性に心強い環境が整備されることになるが、何より重要のは男性の協力であり意識改革だ。共働きならなおさら、妻への家事のサポートは必須といえるだろう。いきなり半々である必要はないにしても、十分な支援ができるくらいに、男性が家事にコミットする世の中になっていかなければ、真の意味で女性の活躍が実現する世の中が到来することはないといえるだろう。

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