働き方

同一労働同一賃金の実現で働き方はどう変わるのか…【瓦の目】

投稿日:2016年4月8日 / by

日本ではなぜ正規と非正規に賃金格差があるのか

同一労働同一賃金へ向けた動きが、着々と進んでいる。同一労働同一賃金は文字通り、同じ仕事なら同じ賃金ということ。当然のことのはずだが、いわゆる非正規と正社員には賃金格差がある。日本では現状、非正規は正規の6割ともいわれ、欧米並みの8割を目指すという。

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なぜ欧米では同一労働同一賃金が浸透しているのか。それは、仕事をあくまで時間でなく、成果でみているからだ。どれだけやったかではなく、何をやったか。つまり、スキルをベースにアウトプットを判断する。だから、正規だろうが、非正規だろうが、賃金に大きな差は生じない。一方、日本では、長時間働いたことが忠誠心という名の評価に盛り込まれるなど、時間と報酬が比例するという歪な体系となっている。

非正規は、定刻通りに仕事をはじめ、定刻通りに帰社するのが基本。正規は、定刻より早めに仕事をはじめ、たっぷりと残業する。だから、報酬も多い。一見すると正しいようだが、なぜあえて働く時間を長くするのかに目を向ければ、正規と非正規の賃金格差が不条理であることが浮き彫りになる。

賃金格差は思惑通り機能しているのか…

帰属意識や忠誠心が、会社の拡大や繁栄に貢献するなら、滅私奉公の正社員が高報酬なのも理解できる。だが、現実には時間管理をルーズにしただけで、たいていは大きな成果には結びついていない。つまり、経営者や上司の自己満足でしかない。さらにいえば、高い報酬をやっているんだからトコトンこき使ってやろう、というせこい魂胆もあるのかもしれない。定額制サービスを、どうせならと使い倒す輩と同じ心理だ。

昨今は、副業を容認する企業が増えている。その目的は、外部での体験を社内にフィードバックし、新しい発想をもたらすことに期待するといったものだ。企業が副業を容認するということは、無駄に会社で時間を過ごさなくてもいい、というメッセージでもある。なぜなら、副業をするにも相応の準備は必要だからだ。実際、副業を実践する人は、ほとんど残業しないという。やることが他にもあるのだから、自ずと時間管理がうまくなるそうだ。時短社員と似た、時間感覚になるのだろう。

非正規と正規の賃金格差が縮まれば、一体何が起こるのか…。もしかすると、正規から非正規への逆流という予想外の現象が起こるかもしれない。副業容認企業も増大するだろう。正社員へのこだわりが薄れることで、ダブルワークや社外活動への積極参加が目立ってくるかもしれない。正規社員の多くが、不本意に長時間残業していることを考えれば、同一労働同一賃金の実現は、その呪縛を解き放ち、働き方の選択肢を増大させるエポックメイキングなトピックとなることは間違いないだろう。

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