働き方

ビジネスというゲームに勝つための本質とは

投稿日:2016年5月30日 / by

そもそもビジネスとはなんなのか

仕事は真面目にやるものだ。サボらず、休まず、手を抜かず。そう頑に信じて頑張っている人ほど、その労力に見合った報酬を手にしていないのだから皮肉なものである。

そもそもビジネスとは何なのか。その定義を間違えてしまうから、せっかくの努力が報われないのである。
bussinessisgame

人は何のために働くのか。何のために報酬を求めるのか。生きていくため、生活のために決まっている。そう答える人は、与えられた仕事を一生懸命にこなし、それに見合った報酬を受け取り、その報酬によって生活をする。それが常識だと考えている人は、このゲームのルールが理解できていないのである。

映画、スポーツ、遊園地など、人間は数えきれないくらいの娯楽を生み出して来た。その中でも最高にスリリングな遊び。人類最高の発明。それこそが、ビジネスなのである。

お金、会社、株式、価格、利子、など、ビジネスの世界にはいくつかの重要なファクターが存在する。とは言っても、それらは概念のようなもので、実際には存在していない。
もちろん、紙幣や硬貨は存在するし、本社ビルや登記簿謄本も存在する。だが、それは本質ではない。

紙幣を持っていなくても口座に残高があれば、それはお金である。登記簿謄本を持っていなくても、登記されていれば会社は存在するし、株券を持っていなくても、株主として登録されていれば株主なのである。

ビジネスとは娯楽

つまり、目に見える何かが存在していることが重要なのではなく、存在するものとして「記録」されていることが重要なのだ。記録とは概念であり、それはルールによって存在している。空振りしたら1打罰、池に入れたら2打罰というルール。ルールがなければゲームは面白くない。だからわざわざ娯楽の中に、厳しいルールを作っているのである。

友達と麻雀やゴルフを楽しむ時、なぜ人はお金を賭けたがるのか。少しでもお金を稼ぎ、生活の足しにするためだろうか。いや、違う。それは明らかに、楽しむためである。
お金を賭けることによって、遊びが本気に変わる。バカバカしいと言えば、バカバカしい。だがそれが人間の本質なのである。

ビジネスも全く同じだ。本来、仕事とは好きなことや得意なことで人の役に立つことだ。
その代わりに自分の苦手なことを助けてもらう。それだけで十分人は生きていけるのである。だがそれでは楽しくない。だからわざわざゲームをして遊んでいるのだ。誰が一番儲けたかを競い合うゲーム。それがビジネスの本質だ。

楽しまなければ意味がないし、楽しませたものが儲かるように出来ている。美容院で髪を切り、喫茶店で香り高いコーヒーを飲み、お洒落な服に身を包んで、映画やディズニーランドに出かける。生きていくためには全く必要のない、ただの娯楽。その娯楽を提供することをビジネスと呼ぶのだ。いかに人を楽しませるか。いかに自分が楽しむか。それがビジネスというゲームに勝つための本質なのである。


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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