働き方

年功序列は崩壊したけれど…。年下上司だと働きづらい理由のトップ3とは

投稿日:2016年6月15日 / by

年下部下の6割が年上上司では「仕事がしづらい」

年下上司の元で働く年上部下の6割が「仕事をしづらい」--。年功序列の崩壊で、年下上司や年上部下は珍しくない。そうした中、人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン(株)(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が、同社が運営する人材紹介会社集合サイト『ミドルの転職』( https://mid-tenshoku.com/ )上で、35歳以上のユーザーを対象に「年下上司」についてアンケート調査(N=303)を実施。その結果から、脱年功序列の芳しくない実態がみえてきた。
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まず、ミドル(35歳以上)への「年下上司」の元で働いたことがあるかについての質問に対しては、全体の66%が「経験あり」と回答。脱年功序列がかなり浸透していることがうかがえる結果となった。その割合は、40代後半以上になると増加し、7割以上となっている。歳を重ねるほど、年下が増えるのだから当然の結果だが、一方で、歳を重ねるほど、考えが固まりがちになるだけに、不穏な結果といえる。

では、“年上部下”はこの状況をどう捉えているのか。その感想については、約6割が「仕事をしづらい」と回答した。理由については、、「年下に命令されると、言い方にもよるけど良い気分がしない」、「若い分経験が浅いのではと不安になった」など、言いがかりのようでもあり、自分よりも人生経験の少ない年下を見下したような、良くも悪くも年功序列が抜け切れていない否定的な意見が目立った。

年上上司がやりづらい理由

仕事をしづらい具体的な理由については、最多が「人の使い方が下手」(66%)だった。この結果からは、マネジメント経験の浅さに加え、年下上司当人も年上部下をどう扱うかに困惑している様子がうかがえる。その他、「知識・知見が少ない」(45%)、「人の意見を受け入れない」(43%)、「人望がない」(42%)などを挙げる声があった。

逆に仕事をしやすい年下上司はどんなタイプなのか。トップは「謙虚な姿勢」(48%)、次いで「人の意見を柔軟に受け入れる」(41%)と続く。年下上司の側に立てば、確かに懐の深さが際立つ立派なマネージャーだが、年上部下からすれば「上司であっても年上は立てなさい」という間接的なメッセージのようでもあり、年上部下の年齢への執着がにじみ出ている印象だ。

とはいえ、そんなそぶりを露骨に出しては、職場で煙たがられるだけだ。年上部下は、年下上司と仕事をする際、どんなことに気をつけているのか。一位は「タメ口ではなく、敬語を使う」(72%)、「さん付けにして、呼び捨てにしない」(59%)という回答が続いた。さすがに言葉遣いは、社会人のベテランだけに、上司に対するマナーとして、しっかりと心得ているようだ。

全体的に、年上部下は年下上司に否定的という印象が残った同調査。年功序列という仕組みは崩壊しつつあるが、一方で年上を立てるという文化が日本にはあり、その辺りのバランスのとり方が、とりわけ年下上司にとっては悩ましいようだ。とはいえ、今後、シニア人材の有効活用が企業の成長の重要因子となってくるだけに、企業はポスト年功序列の理想的な組織のあり方を模索し続けていく必要はありそうだ。

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