働き方

ストレスをためない変人流アンガ―マネジメント

投稿日:2016年7月11日 / by

変人安田の境目コラム

なぜ人は腹を立てるのか

街で人にぶつかられると、腹が立つ。マナーの悪い人を見かけると、イラッとする。発車間際の電車に突進して来る老人、大きな声でバカ話をする若者、道の真ん中でたむろする外国人観光客など、街に出るとイライラすることばかりだ。

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なぜ街にはこんなにも腹立たしいことが多いのか。それは、人間がたくさんいるからである。人間は、人間にしか腹を立てない。というよりも、人間が、人間の憎悪を煽っているのである。たとえばぶつかってきた相手が人間でなく、動物だったらどうだろう。

タヌキがぶつかってきて腹を立てる人はいるだろうか。キツネが騒いでいて腹を立てる人はいるだろうか。ハトがたむろしているのを見て腹を立てる人はいるだろうか。だがもしも、そのタヌキやキツネやハトが誰かのペットだったら、話は違って来る。そういう場合、私たちはまず間違いなくその飼い主に腹を立てることになる。

人間は、人間に対してだけは、寛大にはなれない。たとえば満員電車でぎゅうぎゅう押して来るのが中年のオヤジではなく、中年のヤギだったどうだろう。「お互い通勤は大変ですな」と挨拶のひとつもしたくなるのではないか。

混んでいるレジでやたら多くの小銭を出そうとする客も、タヌキだと思えば一向に腹が立たない。小銭入れから一生懸命に一円玉を出そうとするタヌキがいたら、腹が立つどころか心が癒されることだろう。商品をやたらチェックしまくる中国人観光客も、アライグマだと思えばいいのである。アライグマが器用に商品をチェックしている。そう思えば、なかなか可愛い仕草である。

擬人化することで怒りを“変換”してしまう

つまり、相手が人間ではないと思えば、腹も立たなくなるという事だ。勘違いしないでもらいたいのだが、私は卑下することを奨めているのではない。こいつらは動物と一緒なんだと、卑下することには意味が無い。

こいつらはバカなんだ、動物と一緒なんだと、卑下することによって自分の心を慰める。それはイマイチな作戦である。なぜならそれは、怒りを鎮めるために、我慢しているに過ぎないからだ。我慢すればストレスが溜まる。ストレスは身体にも心にも良くない。私が提案したいのは我慢ではなく、腹が立たないようにする工夫である。

相手に腹を立ててから「これは動物である」と思い込むのではなく、最初から人間を意識しないように生きていくのだ。クラスメートも、ご近所の人も、会社の同僚も、街ですれ違う人も、みんな動物だと思って生きる。今日もタヌキがいっぱいいるなあ、今日もキツネが走っているなあ、と。必要のない人間を、人間という定義から外してしまうのである。

人は知らず知らずのうちに、他人と自分とを比べてしまう。自分よりも稼いでいる。自分よりもマナーが悪い。自分を不快にしている。他人に意識が行けば行くほど、人間は不幸になっていくのである。だから必要な人間以外は、人間として意識しない。人が人でなくなったとき、私たちは真の安らぎを手にすることが出来るのだ。

「瓦版用語集」
 ⇒アンガーマネジメント


<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
yasuda21965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。

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