働き方

HRテックはなぜ人材定着に有効なのか

投稿日:2016年7月22日 / by

HRテックで加速する戦略人事

第二回 総合型で市場開拓するネオキャリア「jinjer」

HRテックのサービス事業者は大きく2つに分けられる。人事部門全体をカバーする総合型と特定の領域に特化した専門型だ。総合型では、ネオキャリアとビズリーチが市場をけん引する。まずは、2016年1月に総合型のプラットフォーム「jinjer」をリリースしたネオキャリアの内容をみていこう。

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人材事業をベースに躍進する同社にとって、企業の人事部門との距離は近い。人材を送り込むことが、重要ミッションだが、定着しなければ、結果的に損失を与えることになる。人材不足の昨今、企業にとっては、人材の定着が重要課題となっており、ここに大きな潜在ニーズがある。jinjerのリリースは、まさにそこへ切り込む、一大プロジェクトだ。

「労働人口が減少フェーズにある昨今、少ない人材を定着させ、育成する必要性が高まっています。離職コストは、採用コストの6.7倍ともいわれ、今後、人事は経営と紐づいた戦略性が求められます。そのためにはブラックボックス化されてきた人事データを数値化、可視化する必要があります。jinjerはそうした人事領域のデータを横断的にマネジメント出来るプラットフォームとなります」と同社担当者は解説する。

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人工知能が実現する戦略人事

数値化された人事データは、人工知能が処理。勤怠データや採用前後の活躍度などをもとに、どんな状況が辞めやすく、入社後活躍しやすいかなどを弾き出し、採用や離職の最適化をサポートする。さらに、段階的に研修や給与計算、マイナンバーなどもカバーすることで、労務や評価などと連動し、より効果的な戦略人事の実現へ導く。

現在は、勤怠管理と入退社における書類作成や社会保険加入手続きなどの労務領域までをカバーしているが、今後は他社と連携するなどで、人事領域全体に渡るサービス展開を図る。「人事領域を一気通貫でシームレスに管理できるようになれば、業務効率は格段にアップします。評価と報酬。採用管理や離職・退職などは連動しているわけですから。jinjerの活用で浮いた時間は戦略立案にあてていただくことで、戦略人事はさらに磨かれることになります」と同社。

企業はこれまで、いかに売り上げを上げるかに時間とコストを割いてきた。だが、右肩上がりの時代が終わったいま、いかに組織としての質を高め、革新を生み出すかにその軸足をシフトしている。国内では勃興したばかりのHRテックだが、その実績が積み上がってくれば、急速に影響力を強め、「ジンジ」の在り方に変革の波を巻き起こしそうだ。

 

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