働き方

働く女性襲う“新型ストレス”とその対策

投稿日:2016年7月28日 / by

新型女性ストレスの正体

女性活躍推進法が4月に施行された。その目的は、「女性が、職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するため」。その効力はともかく、共働きがスタンダードになるなど、昨今、働くママのワークライフバランスは乱れがちだ。ストレスのカタチも変化し、“新型ストレス”が、特にママ社員を襲っている。

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ママ社員が時短勤務や産休を取得しやすくなったのは事実だ。職場での理解も、従来より改善され、妊娠・出産した女性が仕事を続けやすい環境は整いつつある。だが、現実は微妙に違う。ユースキンが、3年以内に産休明けで職場復帰した女性206人に行ったアンケート調査では、復帰後、仕事や家事、育児についてあてはまるものとして最も多かったのが「時間が足りない」(89.8%)。なんと9割が時間が足りないことにストレスを感じていた。

仕事はもちろん、家事、育児のどれに対しても全力で頑張り、しかも限られた時間の中でこなそうとする。分単位で時間に追われ、目一杯頑張っても褒められない。これでは、ストレスがたまる一方だ。イライラが募るのも無理はない。さらに、こどもの急な送り迎えへの対応は「ママだけ」というのが54.9%。平日ホッとできる時間は、「子供が寝た後」と「朝の通勤時間」というのはあまりに不憫だ。

「ママ社員の従来型のストレスは職場でお局さまに嫌味を言われるとか、家庭では姑と合わないや、夫が家事に非協力といったものでした。ところが、いまは職場では時間内に仕事を終わらせたいがもっと仕事がしたいというジレンマ。家庭では家事育児に時間を取られ、自分のための時間が取れない。こうしたことがストレスとなり、イライラや体調不良につながる。これは新型の女性ストレスといえるでしょう」と杏林大学名誉教授の古賀良彦氏は解説する。

新型女性ストレスの解消法とは

職場が活躍の場となったことで、ママ社員にとって、仕事への欲が増す一方で、家事や子育てで時間が限られる。おまけに誰も褒めてくれないという状況が重なり、ストレス強度が増幅する。頑張るシーンが増えたことでモチベーションが上がっても時間に圧迫され、それがジワジワとメンタルにものしかかってくる…。そんなメカニズムだ。

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この新型女性ストレスの対策について古賀教授は、「1日の終わりにストレスを解消する時間を取ることが大切です。時間がないのにできるワケない? 時間は5分でも10分でもいいんです。例えばゆっくりとお風呂につかる、アロマなどで香りを活用し、気を晴らす。セルフマッサージ。なんでもいい。短時間でも毎日少しづつでも解消する時間をつくる。つくらないとストレスは溜まる一方ですから」と短時間のストレス解消ルーティン化を推奨する。

根本的にはパートナーの協力が不可欠な問題だが、そこに期待することで余計なストレスが発生する可能性もある。男の身勝手を見逃すことはないが、ストレスを蓄積しないためにはまず、新型ストレスの存在を認めた上で、自分なりの手軽な解消メソッドを確立し、それを実行することから始めるのがスマートのようだ。

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