働き方

HRテックが加速する企業認知度の無意味化

投稿日:2016年7月29日 / by

HRテックで加速する戦略人事

第三回 人材サービスの集大成として投入するビズリーチ「HRMOS」

ダイレクトリクルーティングで国内市場をけん引するビズリーチが放つのは「HRMOS(ハーモス)」。人事領域を包括的にクラウド化し、戦略的人事を後押しするのが狙いだ。サービス全体としては、jinjerと大きな差異はない。まさにガップリヨツの覇権争いが繰り広げられることになるが、戦略面では違いもある。
harmos1

プロ人材のデータベース「ビズリーチ」では、企業の能動的な採用を実現。求人検索エンジン「スタンバイ」では、求人情報の作成・公開・管理を支援するなど、企業の人材戦略に革新をもたらすアクションを続ける同社。人事領域全般をカバーするハーモスは、そうした事業を推進する集大成的なサービスとなる。

なぜか。能動的で戦略的人事も、データ化されなければ、結局は何度も多大な労を費やすことから逃れられないからだ。人事領域を可視化するハーモスは、例えば優秀な人材の特性を採用から入社後の活躍まで追跡し、データ化。人工知能に学ばせることで、企業固有の必要な人材を戦略的に採りに行くことを可能とする。

ダイレクトリクルーティングをより戦略化する一手

採ってみなければ分からない…。どんなに時間をかけても、そうした側面があった人事領域にテクノロジーのチカラを大量注入することで、人事は経営と同等の戦略性を持つことが可能になる。戦略的に人事をコントロールできるということは、自在に事業を拡大できることと同義といっていい。なぜなら、どんなに資金を注入してもプロジェクトの成功は保証できないが、先に優秀な人材が揃っていれば、成功をかなり具体的に計算できるからだ。

「これからは人事領域においてもデータが不可欠の時代。バラバラだった情報を一元管理し、非効率を排除することで、最適な戦略を描くことができる。事業戦略と同じように人事戦略を描ければ、人事は経営の武器になる。それを実現するのが戦略人事クラウド『HRMOS』だ」と同社南壮一郎社長は力強く言い放つ。

企業の勢力図は、その知名度をベースにサービス、資金を中心に格付けされてきた歴史がある。HRテックの浸透は、そうした企業の戦力分布を「戦略人事」という切り口で崩す可能性を秘める。さらに、人材流動化という昨今のうねりを一気に業界の地殻変動へと転換することにもつながりそうなインパクトをもたらす力を宿す。総合型の2大勢力の争いは、そのまま企業の人事部門を直撃し、人ベースの企業戦略を一気に加速することになりそうだ。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について