働き方

PRディレクターの休息を奪う“職業病”とは

投稿日:2016年8月9日 / by

ビジネスウーマン自撮Deレポート ~私の職場~
File.2 PRディレクター 五十嵐さん(32)

雑誌やテレビをみると勝手に入る企画頭のスイッチ

五十嵐さんの仕事は、PRディレクター。マーケティングPR会社の(株)パブリックグッドに勤務する。PRを企画するので、目に入ってくるものについ仕事目線を送ってしまう習性がある。ちょっと息抜きに雑誌を眺めているとき、面白しろそうな企画があれば「なぜ? どうやって?」。WEBやテレビを見ていてもそんな感じだ。

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息抜きのハズが、仕事にすり替わっていくのだから、まさに息つく暇もない毎日。でも、職業病に性格が絡んだ複雑で重篤な症状なので、本人はすっかり達観している。「プライベートでテレビや雑誌をみていてもついつい仕事に転換してしまうんです。でも、メディアも仕事も好きですし、PRマンの宿命と思って受け止めています」と五十嵐さんは、やや自虐ぎみにほほ笑んだ。

五十嵐さんのプライベートにまで侵入する企画頭。体のことを考えれば熱心過ぎる気もするが、こういう仕事の向き合い方をする担当者なら、ぜひ仕事をお願いしたくなる。くれぐれも体は大事にしてほしいが、もちろん、ストレス解消法はしっかりある。ハードボイルドな警察小説を読むことや映画鑑賞だ。

「佐々木譲の『笑う警官』の道警シリーズ、『ドラゴン・タトゥーの女』のミレニアムシリーズ等が好きです。それから映画鑑賞。最近だとAIを描いた『エクス・マキナ』にハマって、海外版のブルーレイを購入してしまいました。人間とAIを分けるものは何か? 人の意志はどこから来るのか? 答えのない問いを考えるのが好きです」。企画頭の入る余地のない、無感情で客観的で難解な題材を好む辺りは、ワークライフバランスを考えた、ある種の防衛本能なのかもしれない…。

私が仕事で心がけていること

無意識に脳を使い分けることでオンとオフを切り替える五十嵐さん。仕事ではどんなことを心がけているのだろうか。「クイックレスポンスです。複数案件が並行して動く場合が多く、クライアントとメディア、イベント会社など、人の間に入る仕事なので、とにかく仕事を溜めないように。まずは仕事を動かすことを心がけています」。業務量が増えるとつい、圧倒され、立ち止まりがちだが、五十嵐さんはまず動かすことで、停滞を回避する。簡単なようで難しい、見習いたい仕事への取り組み方だ。

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椅子は各々好きなものを買ってOKという気の利いた会社。五十嵐さんが選んだのは、機能性よりデザイン。快適さに流れないあたりは、さすがです

常に仕事やクライアントなどに気を配り、オンタイムの頭の中はほとんど仕事一色といっていい五十嵐さん。さすがにオフは「仕事で人と会う機会が多いので、ボーっとしています」と脱力モードになっているという。情報が目に入ると企画脳にスイッチが入るので、その意味では、放心するのも五十嵐流の脳の休め方なのだろう。

気が付けば仕事脳になる五十嵐さん。それだけに、32歳時点のライフプランは「未定です!」とキッパリ。その上で「走りながら考えます」とサラッと宣言する。公私ともに立ち止まることない五十嵐さんの人生が、これからどこへ向かうかは分からない。だが、自分の足でしっかりと歩き続けるその先には、多くのチャンスが転がり、希望に満ち溢れていることは確かだろう。

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