働き方

プレミアムな金曜日は日本を救うのか…【瓦の目】

投稿日:2016年8月19日 / by

プレミアムフライデー構想とは

月末の金曜日の午後3時に退庁・退社し、余暇を楽しもう。こんな構想が政府や経済界で検討されているという。目的は、消費喚起。「プレミアムフライデー」構想というそうだ。夜の2時間ドラマではない。

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ズバリ言って、かなりピンぼけなプランだ。理由は2つ。そもそも消費するほど給与が上がっていない。月一の“半ドン”程度では焼け石に水で、効果はほぼ見込めない。これが30年前なら国民も喜んで受け入れたし、もくろみ通り消費も喚起されたかもしれない。だが今は、平成28年。少子高齢化で人口減少局面にある。

旺盛な消費は、<勢いのある経済>と<旺盛な市場>があって初めて成り立つ。両方を欠いた中で、仕事を早めに切り上げて消費を促そうという発想自体がすでに破たんしている。アベノミクスでは、報酬を上げろと力説している。実際にこの状況でも上がっている企業はある。だがそれはごく一部。そうした企業でも、閉塞感が漂う経済情勢の中で、使うよりは貯めるに意識が向いている…。

なぜピンボケ構想が浮上したのか…

そんな中、なぜこんな構想が浮上したのか。いまだ、右肩上がりの時代の成功法則で、景気回復を試みているからだろう。まさに時代錯誤というしかない。現状で最善を尽くすことは確かに重要だ。だがそれ以上に、現状を受け入れ、その中でどういうカタチが無理なく自然に幸福な社会を構築できるか。そこに視点を置いて物事を考えなければ、空転は止まらないだろう。

休みを増やし、消費を増やす。これは、勉強しない子に塾に行かせるのと同じような発想だ。つまり、器さえ用意すれば何とかなる、という地に足のついてない無責任な“対策”だ。本人がもっと勉強したい。だから塾に行くというフローでなければ、効果は期待できない。大きな所からのなんとかしようという努力も意欲も感じる。責める気はない。だが、ピントがずれていると、努力は徒労に終わる。かなりマズイ状況だ。

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