働き方

複業実践で発生する悩ましい問題にどう対処すべきか…

投稿日:2016年8月24日 / by

仕事の優先順位をどうつけるのか

パラレルキャリア実践において悩ましいのは、どちらの仕事を優先するか、だろう。もちろん、自身が本業と考える仕事が最優先に違いない。だが、副業でなく、複業という意味では、基本的には仕事は“併行”して行っている。従って、重要度が全く同じなら、どちらも同じくらいに優先度があるといえる。

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優先順位を決めるのは、一般的に納期、クライアントの重要度、報酬などだ。それ以外には、人間関係の中で、無理を聞いてあげる必要性も出てくるだろう。複業であっても、こうした基準は一本化するのがベターなのは言うまでもない。その上で、冒頭のような状況になった時、何を判断材料にするかは、なかなか難しい。

やはり分かりやすいのは、パラレルではあっても、軸となる業務を決めておくことだろう。全く同じ重要性なら、「本業」の方に優先的に取り組むとルール付けできるからだ。ただし、これも一概にそうとはいえない。なぜなら、本業と据える企業が、かなりの自由度で複業を容認している場合があるからだ。

企業によっては、本業で結果さえ出していれば、どんな勤務形態でもOKという場合もある。逆に複業を認めるが、あくまでも本業の業務時間外、と厳格に線引きするケースもある。前者の場合は、優先順位は、本業での業務状況をみながらにはなるが、基本は、納期、クライアントの重要性、報酬などによる基準で一本化して問題ないだろう。

悩ましさの先にある大きなリターン

難しいのは後者の場合だ。本業で時間的な縛りがある以上、本業以外の仕事にどうしても制約が出てくる。土日などを有効活用することで、カバーはできるが、クライアントができるだけ早い業務遂行を望んでくる場合もある。そうしたことを考えると、このケースでは、クライアントと条件交渉をしっかり行うことを基準にするのが、複業をスムースに行う上で重要といえる。

それによって、仕事が受注できないケースも当然出てくるだろう。だが逆に、交渉の末、受注。すぐれたアウトプットを出し続ければ、“条件付き”ながら一目置かれる発注先として、扱いも報酬もアップすることが可能だろう。こうした交渉とその上での最高のアウトプット連発は、自身のスキルアップにも大きく貢献するため、プロワーカーとしてのステップとしても密度が濃く、その成長を加速するハズだ。

過去に本連載で紹介したパラレルワーカーの一人は、本業と据える仕事を辞め、もう一方の仕事一本に絞る選択をした。その結果、不安に押しつぶされ、結局、本業との複業に戻った。複業とは、物理的にも大変な道のりだ。だが、それによって得られるリターンは倍以上のものがある。残念ながら、その価値に複業を辞めて初めて気付くことも珍しくない。その意味では、複業における2つの仕事の優先順位の悩ましさは、成長のチャンスであり、長い目でみれば嬉しく、そしてぜい沢な悩みでしかないということだ。

 

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