
通勤地獄はうんざり…。ビジネスパーソンの通勤事情を調査
ビジネスパーソンが費やす通勤時間は?
「通勤地獄はもうたくさん」。会社勤めで、苦痛として高頻度で挙がるのは、通勤だ。ギュウギュウの車両に詰め込まれ、ダイヤ乱れで遅れることも少なくない。通勤時にかかるストレスは、決して小さくない。今回の瓦版働き方白書では、ビジネスパーソンの通勤事情を調査しました。対象は、ビジネスパーソン2539人(男:1258人、女:1281人)。
まず、通勤にかけられる時間はどのくらいなのか。最多は、1時間以内で45%、次いで30分以内38%でした。1時間以内が計83%というのは、納得ですね。90分以内となると14%と2割にも及びませんでした。
これを未婚、既婚別でみると面白い結果がみえてきます。未婚者では30分以内が35%に対し、既婚者では45%と大きく上回ります。家庭がある人ほど、早く家に帰りたい願望が強いと考えられます。当然といえば当然ですね。
では、ライフスタイル別ではどうでしょうか。30分以内が希望で最も多かったのは、「職場も居住区も郊外」という属性の人でした。これは、職場に合わせ、居住区を郊外にした人が多いということなのかもしれません。それを裏打ちする様に、「職場が都会で、居住区は郊外」という属性の人では、通勤時間1時間30分前後が最も多くなっています。ここからは、購入できる住宅価格のラインが郊外までいかないとない、という事情が透けてみえます。
職場と居住区が離れていない人が最多に
ちなみに、ライフスタイルについては、「職場も居住区も郊外」が最も多く47%、以下、「職場も居住区も都会」が25%、「職場が都会で居住区は郊外」が22%と続きます。このデータをみる限り、通勤地獄を避け、職住近接を実践しているビジネスパーソンが多い印象です。
なお、調査対象の年代は20代が44%と最も多く、次いで30代26%、40代21%となっています。これとライフスタイルをすり合せると、親と同居しているビジネスパーソンが多いことが考えられます。若い世代にとっては通勤地獄が逃れられ、居住費も節約できる2重のメリットがあるワケですから、このご時世、選択しない手はないかもしれませんね。
昨今は、リモートワークや在宅勤務の導入企業も増え、時間と場所の制約が薄まりつつあります。都会にいながら地方企業と遠隔で仕事をする人も珍しくありません。さらには海外で遠隔ワークという事例もある時代です。今回の結果には、通勤地獄を嫌悪する人が多いことが分かると同時に、なるべく通勤時間を短くするよう、居住エリアの選択をスマートに行う姿勢がにじみ出ていたのではないでしょうか。