働き方

ファーストレディが働く女性の現場で贈った言葉

投稿日:2016年9月9日 / by

昭恵夫人が女性が活躍する企業を訪問

安倍晋三首相夫人の安倍昭恵氏が2016年9月8日、東京・新宿区の全研本社(株)を訪問。職場で直接、アドバイスを送ったほか、旧知の友人・ビューティークリエータのTAKAKOと特別トーク対談を行い、同社の女性社員に大きな刺激を与えた。

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育児と仕事の両立をするために必要なことを質問した女性社員に「周りの理解と協力」と助言する昭恵夫人(右)

ミャンマーの学校支援、農場運営、無農薬有機食材を使った飲食店の経営など、ファーストレディとしての公務の合間を縫い、精力的に活動をする昭恵夫人。この日は、女性活躍を後押しする同社のイベントの一環として、自ら職場を訪れた。

やりがいを見つける方法

<どうすればやりがいを見つけられるのか>、という20代女性社員の質問に対し、昭恵夫人は「私は特技みたいなものが何もありませんでした。夢は結婚で、それが実現し、主婦になってよかったと思っていました。ただ、主人が最初に総理を辞めた後にどん底で、『これではいけない』と思い、枠にハマらず、自分らしく生きていきたい。そう思い、口に出したことで変わってきました。人間、『これでいいや』と思ったら終わり。動くことで向こうからやってきます」と自身の経験を交え、穏やかな口調でアドバイスを送った。

専門学校を卒業後、民間企業に就職。その後、安倍首相と結婚。地位も名誉も手中にしたが、安住することなく、さまざまな出来事の中で、一念発起し、いまがある。現在の活躍ぶりからは意外な過去だが、ライフイベントの多い女性はキャリアが途切れがち。それだけに、仕事や家庭の狭間でモヤモヤを抱える女性には大いに参考になるだろう。

いつまでも健康で若々しく仕事をしていく秘訣を質問した女性社員に回答した昭恵夫人(左)

いつまでも健康で若々しく仕事をしていく秘訣を質問した女性社員に回答した昭恵夫人(左)

期待するのは企業の取り組み以上に女性自身の頑張り

日本のファーストレディの印象を変えるようなマルチな活躍で、社会に対し、働きかけを続ける昭恵夫人。その姿は、働く女性が目標にしたくなるほどのまばゆい輝きがある。それだけに、政府が女性管理職増を後押しする流れと現状のギャップには、少々物足りなさを感じている。

「政府は女性管理職の増加を目標値を設定し、増進を図っています。少しずつ上がってはいますが、まだまだ全体的には少ないと思っています。企業側の問題もあるかもしれませんが、女性の側も責任のある仕事につきたくない、というような思いを持つ方が多いのかなと感じています。もっと女性が上を目指す企業が増えていけばいいと思います」と女性の社会進出を支援するスクールにも関わる昭恵夫人だけに、企業以上に女性自身の奮起に期待を寄せた。

どうやって公私のバランスをとっているのか

それにしても、公務で世界中を飛び回りながら、その合間を縫っての多方面での活躍。どうやって、公私のバランスをとっているのだろうか。「総理夫人として公務もありますが、どこまでがプライベートか、という境目はほとんどありません。仕事的にみえるものの中には、やりがいのあるものや好きなモノもたくさんあります。ですから、プライベートといえる気持ちでやっています」とあえて公私混同で、全てを楽しむ感覚でうまくバランスをとっていると明かした。

総理のメイクをしたことが縁で知り合ったTAKAKO(左)と対談する昭恵夫人

安倍総理のメイクを担当したことが縁で知り合ったTAKAKO(左)と対談する昭恵夫人

この点は、同様に多忙な毎日を送るTAKAKOも補足する様に助言する。「仕事と思ってしまうと変なモードに入ってしまう。そうなるといつかストレスで体を壊しちゃう。1日の中で仕事をしている時間って長いんだから、精神的にバランスを取ることが大事。『今日も楽しい一日が始まる』という感覚を持つこと大事だと思います」。働く女性は、その忠誠心から頑張り過ぎるきらいがあるが、もっと肩の力を抜くことが大切。どんな時も常にパワフルなTAKAKOの言葉だけに、説得力は十分だ。

昭恵夫人が語ったこれからの時代の女性の働き方のヒント

盛り上がる対談は、あっという間に設定時刻に到達。昭恵夫人は、最後に対談会場に集まった同社の20代から60代の約80人の女性社員へ向かい、働く女性に期待することをメッセージとして贈った。「私の今年の目標は目にみえないものを感じられるようになること。これから人工知能がどんどん発達し、人間を上回る部分も出てくる。そうした中で、どうやって人間は生きていくのかと考えると、感覚的に感じることがより大事になって来ると思います。本来、日本人は持っていたハズですが、西欧文化の流入などもあって弱くなってきています。こうした感性は特に女性の特長です。感性を磨いて仕事に活かしてくれればいいなと思います」。

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総理夫人の来社ということでスタート時は硬い空気も漂ったが、TAKAKOの絶妙の話術と、なにより、気さくな昭恵夫人のキャラクターで、ムードは次第に和やかにシフト。その人物像についてTAKAKOは「本当に下から目線。立場を考えると、上からになってもおかしくないのに。口だけじゃなく体を動かして全部やられている。最も尊敬する人です」と評したが、まさに言葉通りのその佇まいは、上に立つ女性の理想の姿そのものだった。

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