
当人はほぼ気づいていない…。信用できない人がやりがちな行動三大パターン
なぜ皆が知らない言葉を使うのか
私はアジェンダという言葉が好きではありません。いえ、正確に言うと、アジェンダという言葉を使いたがる人が、好きではないのです。
たしか「みんなの党」でしたよね。マニフェストに対抗して、アジェンダという言葉を使い出したのは。当時から、すごく違和感がありました。
そのころ、アジェンダという言葉を使っている人は、ほとんどいませんでした。なぜ公約に、皆が知らない言葉を使う必要があるのか。なんか凄そう。頭良さそう。新しそう。そういうイメージを植え付けたかったのでしょうね。
バカにされているような気がしました。ちょっと知的そうで、頭が良さそうな名前をつけておけば、国民は支持する。どうせ大半の国民は、公約の内容など理解出来ないのだから。そう言われているような気がしました。もちろん、それは私の考え過ぎなのでしょう。彼らはただ、コミュニケーションが下手くそなだけなのです。
相手もこちらも、意味を理解している言葉を使う。これはコミュニケーションの基本だと思います。子供に話す時には、子供にも分かる言葉を使う。老人に話す時には、老人にもわかる言葉を使う。でないと会話が成立しませんからね。
人を見極めるための3つのポイント
人を見極める目。そこには色々な要素がありますが、私が特に重視しているポイントは三つです。そのひとつ目は、私以外の人への対応。たとえば、部下や、お店の人に対する態度。人によって対応が変わる人を、私は信用しません。
二つ目は、自己紹介に他人を使う人。誰々の知り合いだとか、何々さんと仕事をしていたとか。自分自身の話ではなく、有名人との繋がりをアピールする人。この手の人も、私は信用しません。
そして三つ目のポイント。それは、使う言葉です。やたらと専門用語や、外国語など、小難しい単語を使いたがる人を、私は信用しません。だからアジェンダも好きではないのです。「お前が無知なだけじゃないか」と言われそうですけど。
でも私は思うのです。無知な相手に、どういう接し方をするのか。そこが一番重要なポイントではないのかと。こんなのは、知っていて当たり前。知らない方が悪い。そういう人達に限って、自分が使っている言葉の意味を、きちんと理解していなかったりするのです。
人を見下す、他人の威を借りる、難しい言葉を使う。共通するのは、自分を大きく見せようとする姿勢です。やっぱり信用出来るのは、等身大の人です。でも等身大は、ありのままという意味ではないのです。
医者だから、医者っぽくするとか、政治家だから、政治家っぽくするとか、それは等身大とは言いません。肩書きではなく、人としての形を見せる。それが本当の等身大なのです。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ) は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。