働き方

どこまで自由にするのが従業員の活躍に最適なのか【瓦の目】

投稿日:2016年10月28日 / by

制約ほぼゼロの企業に問題はないのか

好きな時間に連絡なしで出勤・欠勤できる。出勤日数の定めなし。嫌いな作業はやってはいけない。有休は当月使用可…など、なぜこれで成り立つのか、という働き方を導入している企業がある。(株)パプアニューギニア海産だ。対象は同社のパート従業員限定だが、それにしても自由だ。
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カラクリは、扱うモノが冷凍エビということ。出勤状況によって作業量の調整がきくのだ。とはいえ、マネジメントいう観点からいえば、連絡なしで出欠勤されては、計画性もなにもなく、経営に悪影響が及びそうだが、結果はむしろ逆。効率と品質が向上し、無駄な経費も削減されたという。

一体組織運営とはなんだろう。この事例を見てそう感じざるを得ない。縛りや規制は、多くの従業員を一律管理する効果がある。一方で、不要な自主規制や互いを監視するようなムードを醸成する。助け合いよりも足の引っ張り合いという悲しい職場を生み出しかねない。バランスというのは簡単だが、十人十色の個性を存分に生かすなら、規制はゼロでもいいような気もしてくる…。

人間の本質に向き合えば生産性の問題は解決する

同社が「嫌いな作業をやってはいけない」とするのは、自分好きな作業を優先することで、人の嫌いな作業をサポートすることになるという道理を先読みしてのものだ。仕事が遅いことを悪としないという価値観は、一生懸命やって遅いことを注意すべきことでないという考えからだ。全てにおいて、人間の本質に目を向けている。

過労の末、従業員を自殺に追い込んだ企業が話題になっていたが、頑張りを期待する仕組みでは、圧力の加減によっては悲劇を生みかねない。そうではなく、頑張りを引き出す仕組みにすれば、人間は最大限に力を発揮し、助け合うという本能もしっかりと機能する。要はどこまで社員を信頼するか、とうことだ。“総活躍”という言葉も躍る中で、新しい働き方にハードとソフトの2つの側面があるとすれば、ソフトの部分こそがいま、徹底して見直すべきタイミングなのかもしれない。

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